産官学金連携の研究施設「島原百草の郷」を開設~三益製薬(株)
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島原市の地域資源の産業化を目指す中核施設
天然素材の医薬品、医薬部外品、健康食品の開発・販売、OEM(受託製造)などを行う三益製薬(株)(本社:福岡市博多区、大森清美代表)は、長崎県島原市に研究施設「島原百草の郷」を開設。12月5日、同施設で開所式を行った。同社・大森清美代表取締役社長は、「地域に密着し、島原の皆様を知ることによって、愛される商品開発を行っていきます」とあいさつ。古川隆三郎島原市長が、島原の薬草を素材とした商品開発への期待感を示す祝辞を寄せた。
「島原百草の郷」の新設は、2015年度に総務省の「地域経済循環創造事業交付金」の交付が決定した企業、行政、教育機関、金融機関が連携して取り組む産官学金連携事業の一環。10年前から「健康半島構想」を掲げ、古くから地域に根付く薬草文化の産業化を目指す島原市が産学連携で実績のある三益製薬を誘致した。事業費4,000万円のうち、2,400万円は交付金があてられ、残りの同社負担分のうち1,100万円を地元金融機関の十八銀行が融資する。
三益製薬は04年3月に設立(創業01年)され、九州大学、長崎国際大学、中国の遼寧中医薬大学、瀋陽薬科大学と連携し、一般社団法人 国際天然物機能開発研究会を2010年4月に設立。産学連携で漢方素材に特化した国際的な研究開発を行ってきた。「島原百草の郷」でも、未病・予防生活の観点から、地元の教育機関と共同研究を行い、薬草を素材とする健康食品など商品を開発するほか、サフランなど薬草の栽培指導、漢方による健康セミナー、一般向けの美膳薬膳など、幅広く地域に密着した活動を行なう方針だ。
商品開発においては、薬草文化が根付いた地域性が大きな役割を持つ。島原市には、江戸時代には島原藩が薬草栽培に取り組み、国の「日本三大薬草園跡」として国の指定を受けている「旧島原藩薬草園跡」がある。現在も、さまざまな薬草が市民の健康維持に用いられており、地元の島原農業高校では、家庭科学部生徒たちがドクダミを使った薬草パンの商品化を目指している。
同社は、「島原百草の郷」を中核施設として、薬草に関心の高い島原市の地域性を生かし、テストマーケティグや小ロットのOEMを行い、島原ブランドの商品開発と国内外への販路拡大に努めていく。すでに、中国の広東双駿生物科技有限公司、大連豪翔生物酶工程有限公司と共同研究開発機関を設置する予定もある。同社の研究者である遼寧中医薬大学の李剛医学博士は取材に対し、「島原市、島原半島全体の素晴らしさを『島原百草の郷』を活用して発信していきたい」と抱負を語った。
【山下 康太】
<COMPANY INFORMATION>
三益製薬(株)
代 表:大森 清美
所在地:福岡市博多区博多駅南2丁目1‐5 博多サンシティビル6F
設 立:2004年3月
資本金:1,000万円
TEL:092-411-8066
FAX:092-411-8086
URL:http://www.san-eki.co.jp関連記事
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