2024年12月22日( 日 )

2016年伸びた企業 2017年注目企業~2016年ヘルスケア市場

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機能性表示食品に沸いた1年

syokuji 2016年は「機能性表示食品」に始まり「機能性表示食品」で終わった年という印象が強い。消費者庁が15年4月、新たに施行した同制度は、食品の機能性に関するエビデンスを企業の自己責任で担保し、パッケージに効果効能を表示できるという画期的な制度。これまでにも特定保健用食品(トクホ)や栄養機能食品という一定の効能を標ぼうすることのできる制度があったが、開発コストや表示の自由度という点で、新制度はこれまでに比べて桁違いにリーズナブルな制度として注目された。

 機能性表示が可能となるのは健康食品やサプリメントに限らず、一般加工食品や生鮮食品のジャンルにまでおよぶ。「みかん」「もやし」「(サケ・サバ)缶詰」「マヨネーズ」「茶飲料」「缶コーヒー」「ノンアルコールビール」「トマトジュース」「食用油」「ヨーグルト」等々、商品アイテムは多岐にわたっている。

 (株)ファンケル、森下仁丹(株)、アサヒグループ食品(株)、キユーピー(株)などは新制度施行後間もなく商品を市場に投入し、先行商品で売上を大幅に伸ばした。ファンケルは『えんきん』が伸長したほか、『大人のカロリミット』が堅調に推移して増収(16年3月期)。森下仁丹は「ヘルスエイドシリーズ」の売上が好調で5%の増収を示した(同)。
 アサヒグループ食品は「ディアナチュラゴールドシリーズ」を全国のドラッグストア約1万店舗で展開、テレビCMの投入により前月比で130%ほど伸びた商品もあるという。キユーピーの子会社で通販の(株)トウ・キユーピーは、半期を終えた16年5月の時点で今期売上目標の7割を達成し、定期顧客数も約3倍に伸びた。カゴメ(株)は、『カゴメトマトジュース 高リコピン トマト使用食塩入り』などの4品を発売。4月10日までの出荷量は前年比で2倍。(株)ディーエイチシーは『エクササイズ ダイエット』を販売し、目標の約1.5倍を記録した。

 そのほか、「表示以前は、女性が美容目的で購入するケースが多かったが、表示後は既存の女性客を維持しながら、新規に中高年男性の顧客が増えてきた」(アミノアップ化学)、「商品の取り扱いがなかったような店舗(ドラッグストア)にも商品が入るようになった」(味覚糖)、「連絡先をパッケージに表示したため、従来はほとんどなかった消費者からの問い合わせがJAに寄せられている」(JAみっかび)など、顧客層や取引先の動向に変化が見られたようだ。

【田代 宏】

 

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