『脊振の自然に魅せられて』福岡市で唯一の渓谷「野河内渓谷」を甦らせよう(2)
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福岡市で唯一の野河内渓谷。ここの遊歩道に関する資料は、地元の曲渕小学校110周年記念誌に景勝地案内が掲載されています。これは昭和25年ごろ、曲渕小学校社会科研究部の児童たちが先生と一緒になって、野河内渓谷上部の水無鍾乳洞、野河内渓谷、曲渕ダム、花乱の滝、十六羅漢、坊主が滝、脊振山の景勝地を案内パンフレットとして作成したものです。このパンフレットに、野河内渓谷の大小の滝の鳥瞰図やスケッチが詳しく書かれています。戦後間もないころですから、手づくりのガリ版刷りです。ちょうど私が小学校1年生のころになります。
このパンフレットを基に、野河内渓谷の整備に取りかかりました。この遊歩道は、福岡市スポーツ振興課が市民の憩いの場としてベンチや遊歩道の設置をしています。その経緯から、福岡市役所にも現地確認を要請しました。
また、脊振の自然を愛する会で福岡市の環境保全事業『エコを発する事業』補助金にも応募し、3年間の事業予算を得ることができました。地元の実行委員の熱い思いが、応募決定に功を奏しました。・2013年1月31日 福岡市スポーツ振興課現地確認
・2013年6月26日 第1回目鎖補修 (福岡市エコを発する事業予算)
・2013年7月13日 第2回目鎖追加補修(福岡市エコを発する事業予算)
・2013年9月12日 遊歩道の全体補強のため、支柱と鎖の補修箇所の調査実施とりあえず第1回、第2回と、遊歩道の危険箇所のみ応急的に鎖の補強を行いました。「危険」と表示されている箇所が数カ所あり、鎖は切れているものあり、錆びていつ切れるかわからないものなど、10カ所以上ありました。
鎖は、錆に強いステンレス製を使用しました。支柱間の長さもまちまちなので、それぞれの長さにエンジンカッターで切断しました。かなり重いステンレス製の鎖を運ぶので、参加者が濡れている遊歩道で足を滑らせ怪我をしないよう、注意喚起をしました。もちろん、ボランティア保険にも加入しました。その鎖を首から提げたり、手に持って移動しながら、1つひとつ補修して行きました。参加者13名、高齢者によるボランティア活動でした。
これでひとまず第1回、第2回と危険所の補強は終了しました。この鎖の補強の間に、金属製の大型のゴミ箱5個を撤去することにしました。理由は、ゴミ箱があるため、弁当がらやゴミが散乱して、非衛生的で汚く、美しい渓谷にふさわしくないと判断したからです。
13年9月15日に、地元の方や福岡水源林のボランティアの会など男女12名が参加して、奥地の渓谷から抱え、降ろしました。撤去したゴミ箱は、知人の産廃業者に処理をお願いしました。遊歩道の距離は約800mあります、この支柱に番号を付け、鎖の危険箇所の調査も同時に行いました。支柱118本、危険箇所5カ所、鎖の切れた箇所や取替え箇所は32本。
鎖はそれぞれ長さが違うので、巻き尺で長さを図り、遊歩道全体をスケッチし、支柱の必要な箇所には赤ペンキでマーキングをしました。
この資料を、「遊歩道追加補強工事が必要です」と福岡市へ嘆願しました。この嘆願で福岡市が動き、16年2月に福岡市民局が業者に工事を発注し、支柱の追加工事と鎖補強を行ってくれました。
これで、3年にわたる一連の遊歩道の支柱と鎖補強工事はやっと終了し、安全に遊歩道を歩けるようになり、美しい渓谷へ再生しました。次は、名勝地の看板取り付けになります。2017年7月25日記
脊振の自然を愛する会 代表 池田友行関連キーワード
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