エンジン車がなくなる?~21世紀は電気自動車の時代に(前)
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イギリスでは2040年からガソリン車、ディーゼル車の販売が禁止される見通しとなった。これは大気汚染の対策としてなされたもので、ガソリンや内燃機関を動力とする自動車(以下、エンジン車)の需要は今後、細っていく傾向が制度的に確実になることを意味している。イギリス以外でも、フランスやドイツ、オランダ、ノルウェーといった国々で、禁止、規制の内容や時期こそ違えど、同様の施策が実施されることになりそうだ。この施策が実施されれば、電気自動車がガソリン車に取って代わることとなる。
たしかに、ガソリン車・ディーゼル車は排気ガスを出すし、それが原因となって大気汚染が進むことも間違いない。20世紀初頭にT型フォードが登場して以来、約100年にわたって人々の足として普及が進んできたエンジン車だが、21世紀にはいって、ついにその姿を変える時期が来ているのである。
言うまでもないが電気自動車とは電気モーターを動力として動く自動車のことで、EVと略される。動力はモーターだが、その電力の供給方法によって、いくつかの種類に細分化される。現段階では二次電池を利用したEVが主力だ。国内メーカーでは日産のリーフ(2010年販売開始)、三菱のi-MiEV(09年販売開始。世界初の量産型電気自動車)が販売されている。これらはいずれも充電ができる二次電池を利用した電気自動車だ。このほか、国内メーカーではトヨタが燃料電池を用いた電気自動車(FCV)のMIRAI(14年販売開始)がある。燃料電池は水素と酸素から水をつくり出すときに発生する電気を利用するもの。そこで生まれた電力でモーターを動かすことになり、排気ガスのかわりに水が出る。二次電池でも燃料電池でも、走行時には有害ガスが発生しないのは共通している。
海外のメーカーではEVに特化した自動車メーカー・テスラモーターズが有名だ。アメリカ・カリフォルニア州シリコンバレーに本拠を構える同社は、電気自動車の優れた加速性能や静粛性などに着目し、スポーツカータイプやセダンタイプのEVをラインナップしている。
EVにはEVの利点がある。モーターを利用することで、内燃機関を使ったエンジンに比べて圧倒的な静粛性を得ることができる。加えて、電気制御でスピードをコントロールするため、非常にスムーズな加速が得られる特徴を持つ。また、バッテリーを分散して配置することができるため重心を低く抑えることができ、コーナリングもスムーズにすることができる。
(つづく)
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