『脊振の自然に魅せられて』福岡市で唯一の渓谷「野河内渓谷」を甦らせよう(5)
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最終段階 完成へ向けて
2012年(平成24年)から整備してきた一連の野河内渓谷の遊歩道整備は16年12月でほぼ完了しました。残されていたのは、野河内渓谷の駐車場問題です。
井原山登山や野河内渓谷の散策に訪れる人たちは、三瀬峠へ通じる国道263号の第1カーブ横の公衆トイレ空き地に駐車していました。キツネノカミソリの咲く7月末から8月初めの土日は多くの車が空き地の路上に溢れ、付近の住民に多大な迷惑をかけていました。
そこで私は早良区役所企画課に相談しました。半年が経ち、駐車場の看板の見本写真を見せてもらった時は、欣喜雀躍しました。企画課は福岡県とも調整し、民有地を借用して15台は停められる無料駐車場が完成。そこで無料駐車場の看板1つを立てるのに、行政として手続きを取る必要がありました。
野河内渓谷の遊歩道も整備でき、併せて駐車場も完備できました。これを記念して『野河内渓谷へようこそ』というパンフレットを、早良区役所が主宰する「早良みなみ塾」の予算で1,000部作成することにしました。また、このイラストをもとに、渓谷入り口に看板を立てる事にしました。福岡市『エコを発する事業』に応募したところ、費用の援助が決まりました。
2015年3月4日 業者による設置には、私と地元の実行委員のF氏、またイラストを作成してくれたK氏も立ち会いました。2.5m×1mの立派なものです。
この設置は支柱が福岡市の道路の一部にかかり、道路占用許可が必要となりました。占用許可を「脊振の自然を愛する会」名で早良区役所に申請しました。あとは、渓谷の沢にかかる橋の整備が残っています。
渓谷入り口はコンクリート製の太鼓橋がありますが、手前の飛び石で渡る場所が水で溢れ、その対策として(誰が設置したか分かりませんが)ガードレール用の鉄板が仮の橋として利用されていました。このため、子供たちや、高齢者が歩いて渡るには、バランスを崩して沢に落ちる、また転倒して怪我する危険性もはらんでいました。ここに何とか安全に渡れる橋を掛けようと会で検討しました。強固な渡り橋案を業者に依頼してみましたが、補助金など費用の捻出が無理でした。しばらく暗中模索が続きましたが、地元実行委員のT氏が福岡市スポーツ振興課に実情を相談してくれました。そして渓谷入り口に増水しても基に戻せる浮き橋を設置することが、スポーツ振興課予算で決まりました。浮橋は業者に発注され、16年12月に完成しました。
これで、4年にも及ぶ遊歩道整備事業は一段落しました。思えば、多くの方々がボランティアとして参加し、行政との協働で遊歩道は見事によみがえったのです。また危険な作業を請け負った業者の方や、看板設置、渡橋設置の業者の方々にも感謝申し上げます。また、私も地元住民の野河内渓谷を生き返らせようとする情熱に、少しは応える事ができました。
2017年8月14日記
脊振の自然を愛する会 代表 池田友行関連キーワード
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