有望な輸出商品になった韓国海苔(前)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
韓国海苔が好きな日本人が増えている。筆者は出張のたびに空港の免税店で日本人へのお土産として韓国海苔をよく買う。海苔は価格的にも手頃だし、相手にも喜ばれる商品だからである。日本のことをよく知らない韓国人は、韓国では高麗人参が人気があるので、日本でも同じだろうと思って、お土産として高麗人参を買う人も結構いる。しかし、残念ながら筆者が知っている限りでは、現代の日本人は高麗人参をそれほど好まない。筆者はそれをよく知っているので高麗人参はほとんど買わず、海苔を買う場合がほとんどだ。
せっかくお土産として何かを持って行っても、相手に喜ばれないとお土産として意味がないので、お土産を選ぶ時は相手を中心に考えるのが筋であろう。そのような状況の中で一番無難なお土産として選ばれているのが、実は韓国海苔なのである。海苔はこのようにお土産としても人気が高いばかりか、輸出商品としても韓国経済に大きく貢献している。
今回は身近な食品である海苔について取り上げてみよう。海苔にはビタミンAとタンパク質、カルシウムが豊富に含まれている。おにぎり、お雑煮、ラーメンなど海苔は多くの場面で活用されている。日本と韓国のようにお米が主食である国では、海苔はご飯と一緒に食べるおかずとして利用されることが多いが、他の国では、海苔はおやつまたは酒のおつまみになる。海苔を消費する形態には大きく分けて三つある。乾燥海苔と味付け海苔、その他海苔を加工したスナックなどである。韓国海苔はそのなかでも味付け海苔で世界的に有名である。日本は醤油で海苔に味付けをしているが、その味は世界に受け入れられず、日本は海苔の世界化に失敗している。ところが、韓国海苔は海苔にごま油やエゴマ油を塗って、塩で味付けをしている。それが世界的な人気を呼び、韓国海苔は現在世界の90カ国に輸出されているほどである。
海苔は韓国農水産物の輸出商品のなかでは、欠かすことのできない戦略商品として浮上しつつある。農産物の輸出のなかで、タバコが8億8,600億ドルで一位、マグロが4億8,900億ドルで2位、海苔は3億ドルで、3位にランクされている。とくに、日本と中国への輸出が去年に比べ、今年も70%以上増加している。海苔を商業的に生産している主な国は韓国、中国、日本くらいである。もちろんその他の国もあることはあるが、統計にも入らないくらい微々たる量である。
現在海苔の最大生産国は中国である。13年の中国の海苔生産量は114万トンである。中国は最近でも養殖技術と設備を取り入れ、生産量を大幅に増やしつつある。海苔の生産量2位は韓国である。14年の生産量は41万トンで、韓国の海苔生産量は中国の半分にもならない。日本は3位であるが、漁業に従事する人口がだんだん減少しつつある。
海苔の最大輸出国はというと韓国で、韓国は年間3,000億ウォンの海苔を輸出している。2位は中国で、韓国の半分である年間1,500億ウォンの海苔を輸出している。韓国海苔の輸出は10年間で5倍に増え、海苔は韓国の農水産物輸出に大きな比重を占めるようになっている。
海苔の輸出先を国別に見ると、韓国は去年アメリカに味付け海苔を700億ウォン輸出し、日本にも400億ウォン輸出している。この数字からも分かるように、海苔はお米が主食であるアジアだけでなく、アメリカにも輸出し、すでに世界的な食品になりつつある。
(つづく)
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