ド派手なセレブ生活も終焉か(5)~(株)ストーンマーケット
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天然石アクセサリー販売で急成長した㈱ストーンマーケット(本社:福岡市中央区、中村泰二郎社長)だが、業績の悪化から事業の縮小を余儀なくされている。2年半ほど前に「ド派手なセレブ生活は続くのか」と題して同社の凋落を報じたが、いよいよド派手なセレブ生活も終焉が近づいているようだ。
高収益モデル崩壊の理由(2)
高級品でもなく、おもちゃでもないミドルクラスのアクセサリー市場が、同社の基本的なマーケットだった。不景気で高級品が売れなくなっていくなかで、新たに生まれたデフレ対応型のビジネスモデルという印象だ。ところが市場は常に変化するもの。同社の商品より、さらに安価なアクセサリーを求める層と、景気が回復してきたことで高級品に向かう層が出始めた。消費者の二極化で、同社がターゲットにしてきた市場が縮小し始めたのである。販売の低迷と仕入価格の上昇の板挟みで、同社は徐々に収益力を失っていった。
また外的要因だけでなく内的要因にも問題があったようだ。同社は高収益モデルで急成長したため、緻密な経営管理体制が構築できていなかったという。取材過程で関係者からは「場当たり的な経営方針だった」との話がよく聞かれた。店舗の出店戦略も明確なプランに基づいたものではなく、話があれば出店するという感じだったという。たしかに撤退した飲食事業でも、出店から閉店までが極端に短い店舗もあり、場当たり的な印象は強い。同時に、商品を生み出すための流通体制も非効率で、スムーズなものではなかったようだ。高収益モデルがゆえに、激しい競争を勝ち抜く、もしくは環境変化に対応する術を身につけることができなかったのだろう。
こうして高収益モデルは瓦解していくのだが、追い打ちをかけたのが中村社長のメディア露出だ。話題作りにはなるのだろうが、金持ちセレブアピールの宣伝スタイルは、なにせお金がかかる。しかも話題作りはエスカレートするのが常だ。本人にどの程度の自覚があったのかはわからないが、資金繰りが余裕を失いつつある中でのメディア露出は、反感や嘲笑を含んで語られることが多くなった。金融機関からも、事業が低迷しているのに、相変わらずセレブスタイルを続ける中村社長に対して、厳しい目が向けられるようになったようだ。
同社は利益が潤沢なときも、積極的に借金をして投資するスタンスだった。拡大路線か堅実路線かで、一概に優劣をつけることはできないので、同社のスタンスを否定するつもりはない。ただし借金しての拡大路線はハイリスク・ハイリターンの戦略であり、失敗すると大きな痛手を負う。そのリスクが顕在化したのが同社の今の状況だ。
(つづく)
【特別取材班】▼関連リンク
・ド派手なセレブ生活は続くのか(1)~ストーンマーケット
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