久留米市長選・孤立する本村会頭
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現職の楢原利則市長が任期満了をもって退任し、久々の民間出身の市長の誕生が予想される久留米市長選挙。来年1月予定の同選挙まで実質3カ月余りとなった。
現在、元久留米大学教授の宮原信孝氏、経営コンサルタントの中西博紀氏、元参議院議員の大久保勉氏の3名が出馬を表明。各候補は着々と地盤を固めている。
そのようななか、28日に衆議院が解散し、突如、解散総選挙に突入することとなった。地元福岡6区選出の国会議員らの動きも慌ただしくなってきた。衆議院解散は誰もが想定内であっただろうが、このタイミングで解散総選挙が行われることに困っている人がいるようだ。久留米のフィクサーこと本村康人・久留米商工会議所会頭のことだ。
本村氏は昨年10月、鳩山邦夫衆議院議員の死去に伴う衆議院補欠選挙で邦夫氏次男・二郎氏を熱心に応援したことで地元ではよく知られている。この選挙では公認を巡り、二郎氏と自民党福岡県連の間で対立。選挙では二郎氏が大勝したことで、両者間に大きな溝ができていた。
二郎氏が県連で孤立するなかで、本村氏は早くから来年の久留米市長の候補として大久保氏を担ぐなどの動きに出ていた。大久保氏は民主党参議院議員時代に財務副大臣を経験するなどの輝かしい経歴の持ち主。これに二郎氏の地元での人気票も計算の中に入れていたはずだ。
しかし、先週日曜日(9月24日)予想してなかった事態が発生する。衆議院解散を前に二郎氏と県連が手打ちをしたことで、二郎氏は福岡6区の支部長に就任することになった。これにより、今後は県連の指示で動かなければならなくなった。これが一体何を意味するか?
大久保氏は民主党(民進党)の参議院議員を二期12年務めた人物。当然ながら、自民党福岡県連にとっては敵そのものであり、今更、現職市長が推薦したところでそう簡単に相乗りできる状況ではない。もし、県連が大久保氏以外の候補者を推薦、または新たに候補者を擁立すれば、二郎氏もそれに従わざるをえず、そうなれば、大きな組織票を持つ県連と、補選で見せた二郎フィーバーにあやかることができなくなり、本村氏の描いた絵は脆くも崩れ去る。
民進党が、小池百合子東京都知事の希望の党に合流するという予想だにしなかった事態となり、状況は刻一刻と変わっている。久留米市長選に関しては、本村氏の読みが外れてしまったか。これまでの市長選をはじめとした選挙では影響力、存在感をいかんなく発揮していたが、今回は孤立する方向に向かっている。
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