11年ぶりの南北首脳会談(前)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
わずか数カ月前までは、朝鮮半島で緊張が高まり、一触即発の戦争危機が噂されていた。北朝鮮の度重なる核ミサイル開発と実験で、朝鮮半島をめぐって、南北の対立は頂点に達していたのだ。ところが、 事態はそのような対立から一転し、27日に南北首脳会談が開かれ、南北関係は新たな展開を迎えつつある。
韓国の市民のなかでも、北朝鮮の急激な態度の変化に、北朝鮮の真の意図は何なのか、疑いを拭えない人も多い。しかし、世の中は常に変わるもので、今回の南北首脳会談で、今までの南北間の対立は終息され、朝鮮半島に本当の平和がもたらされることが求められている。南北首脳会談に期待を寄せている国民が大半で、今回は今までとは違うだろうという期待が募っている。一方、北朝鮮の今回の会談はショーに過ぎず、韓国がだまされるだけだと信じ込んでいる一部の保守層がいるのも事実である。北朝鮮の平和攻勢は体制危機を免れるための一時凌ぎの方便で、経済援助を引き出したら、ある時点で難癖をつけて約束を履行せず、北朝鮮は合意を守らないに違いないという。そのような状況のなかで、南北首脳会談は開かれることになった。
4月27日金曜日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は板門店の韓国側施設「平和の家」で首脳会談を行った。南北の首脳が首脳会談のテーブルについたのは、2007年以来、11年ぶりである。第1回目の南北首脳会談は2000年に、それから第2回目の首脳会談は2007年に、それから今回は3回目の南北首脳会談になる。南北首脳は朝鮮半島の非核化と平和定着、南北関係の発展について率直に議論した。
9時28分頃金正恩委員長は板門店に姿を現した。金正恩委員長は人民服を着て登場した。金委員長は9時29分、文在寅大統領と軍事境界線を挟んで立ち、握手を交わした。金委員長は握手を交わした後、軍事境界線を越えて南側に入った。その後、金委員長は文大統領に軍事境界線を越えて一緒に北へ行くことをその場で提案した。文大統領はその提案を即座に受け入れ、それを実行した。文大統領と金委員長は韓国軍の伝統儀仗隊による栄誉礼を受けながら公式歓迎式場まで徒歩で移動した。
歓迎式が終わった後、両首脳は歓談を交わし、会談が正式にスタートしたのは10時30分であった。南北首脳会談は40カ国の外信記者を含め、3,000名以上の取材陣が見守る中で、生中継され、その映像は全世界に送信された。今回の南北会談のもう1つの注目点は金委員長の李雪主(イ・ソルジュ)夫人の会談参加であったが、李雪主夫人は会談に顔を見せず、晩餐会に参加し、南北の首脳夫妻が初めて顔を合わせることになった。
今回の南北会談を準備するために、南北では、特使を派遣したり、関係国と協議したり、水面下でいろいろな準備を進めてきた。北朝鮮は、平昌五輪の閉会式に金英哲(キム・ヨンチョル)統一戦線部長を派遣し、秘密会談を行った。ここで特使派遣と首脳会談の条件が話し合われた。このような韓国側の努力に対して、国内外では賛成する声だけではなかった。しかし、文大統領は北寄りという非難のなかでも、北朝鮮との関係構築に執念を燃やし、このような会談に漕ぎ着けた。
(つづく)
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