2024年11月05日( 火 )

国民の命と暮らしを守る意思がない安倍内閣

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。
今回は、政権の宣伝のために、公共放送としての役割を放棄したNHKの責任を指摘した7月11日付の記事を紹介する。


気象庁は7月5日の午後2時から緊急の記者会見を開いた。予報課の黒良龍太主任予報官は「西日本と東日本では、梅雨前線の活動が活発になり広い範囲で大雨となっている。この状況は今月8日ごろにかけて続く見込みで、非常に激しい雨が断続的に数日間降り続き、記録的な大雨となるおそれがある」と述べ、土砂災害や川の氾濫などに厳重に警戒するとともに、気象状況が悪化する前に早めに避難するよう呼びかけた。
黒良主任予報官は、前線が停滞するため、長期間同じ所で雨が降り続くおそれがあるとしたうえで「土石流などの土砂災害や低い土地の浸水のほか、中小だけでなく大きな川でも増水や氾濫のおそれがあり、厳重な警戒が必要だ」と述べた。
そして、避難については、前線に向かって流れ込む湿った空気の強まりによっては、いつどこで雨が強まるのかは予測が難しいとしたうえで、「夜間に雨が強まった場合、暗いと周りの状況が見えにくく、避難が難しい場合もあるので、最新の気象情報を確認して、気象状況が悪化する前に早めに避難してほしい」と呼びかけた。
気象庁が緊急記者会見で警告した通り、記録的な大雨が降り続き、平成に入って最大の被害が広がっている。
7月11日日午後0時半現在で、死者は13府県で169人に上り、安否不明者が80人に達している。平成史上最悪の犠牲者を生む激甚災害になってしまった。

本ブログ、メルマガでは、7月8日午前10時に配信した記事で
災害特別報道体制を敷かなかったNHK
という事実を指摘した。
安倍内閣は7月6日にオウム事件の死刑囚7名に対する死刑を執行した。その3日前の7月3日の首相動静に次の記述がある。
「午後4時、谷内正太郎国家安全保障局長、北村滋内閣情報官、浦田啓一公安調査庁次長」
この時点で安倍首相はオウム事件の7名の死刑囚の死刑執行の予定を聞かされていたと見られている。

NHKは7月6日から3日間、世論調査を行った。この世論調査で内閣支持率が6月調査に比べて6ポイント上がって44%、不支持率が5ポイント下がって39%になり、4カ月ぶりに支持率が不支持率を上回ったとNHKが伝えている。

7月6日の時点で激甚災害の現実が生じていた。この時点で多数の死者、不明者が発生していたのである。NHKが災害特別報道体制を敷くべきことは当然だったのだ。
しかし、NHKは特別報道への切り替えを行わなかった。
最大の理由は、世論調査に向けて支持率を引き上げるために死刑執行の報道を大規模に展開することにあった。
この報道によって支持率引き上げを演出することが予定されていたのだと考えられる。

気象庁は7月5日午後2時の段階から特別な体制を敷いた。NHKは「国民の命を守る」ために、特別報道体制を敷く必要があったが、世論調査実施に向けて、オウム関連報道を大々的に展開するために、災害特別報道体制に移行しなかったのである。

※続きは7月11日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第2084号「政治偏向NHK報道が招いた平成最悪の惨事」で。


▼関連リンク
・植草一秀の『知られざる真実』

 

 

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