乗っ取り発覚の和幸商会が社保滞納 年金機構が取引先に照会書
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厚生年金保険料などの徴収を行う日本年金機構が、金隈産廃処分場(福岡市博多区)を運営する(株)和幸商会(本社:福岡市博多区、箭内伊和男代表)の複数の取引先に対し、取引関係の照会を行っていることがわかった。長期にわたり社会保険料を滞納している和幸商会に対し、さらなる処分を行うためとみられる。
和幸商会の取引先に突然届いたのは、日本年金機構博多年金事務所からの通知。内容は、和幸商会の社保滞納による処分のため、取引状況や債務残高などについて照会するもので、売上金などの流れを確認する意図があるとみられる。
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これまでの取材で、昨年11月、和幸商会が(株)盛大(本社:福岡市東区、大藏則子代表)との間で、事業譲渡の誓約書を交わしていたことが発覚しており、同時に行った関係者への取材では和幸商会の指示で産廃処理費用を事業譲渡先の「盛大」の口座に振り込むように通知されていたことがわかっている。
和幸商会は過去に助成金を不正に受給したことが公表され、返還義務を負っているほか、和幸商会の所有不動産が2014年4月に日本年金機構から差し押さえ処分を受けていることも確認されており、口座差し押さえを逃れるため意図的に別法人へ売上金を流しているとみられる。
このような状況下、今年7月、新たに判明したのが別会社「(株)大和」への事業譲渡計画。大和は今年1月に設立され、乗っ取りを主導する柏田清光氏が代表を務める。多額の負債は和幸商会に残したまま、事業だけを大和に譲渡するものとみられる。大和は産廃処理業の新規許可申請のため、8月11日から9月17日まで処分場を閉鎖し、許可取得次第、産廃の受け入れを再開すると取引先に通知していた。
同処分場をめぐっては、今年に入り一部の役員らが結託し、特定の人物を排除すべく、役員の辞任届や取締役会議事録などを偽造、行使するという、いわゆる「乗っ取り」行為が発覚していた。
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【東城 洋平】
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