どうなる?(株)北斗産廃不法投棄問題(1)~「納得できん!」排出事業者が憤るワケ
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佐賀県鳥栖市で産業廃棄物の中間処理場を運営していた(株)北斗が起こした不法投棄問題。事件発覚から4年が経過した今年7月、鹿児島県に不法投棄された廃石膏ボードの処理をめぐり、同県は排出事業者に対して自主撤去の方針を照会した。北斗関係者らによる自主撤去が進まないまま、ついにその責任が排出事業者に向けられたかたちだ。7月末に開催された鹿児島県による説明会には、北斗に処理を依頼した排出事業者が多数参加。「納得できん!」―と、参加者からは不満の声が相次いだ。
鹿児島の山中に不法投棄
(株)北斗による一連の産廃不法投棄事件を振り返ってみる。事件が発覚したのは2014年8月のこと。鹿児島県志布志市の山林に廃石膏ボード100tあまりを不法投棄したとして、谷山達男容疑者(当時)が廃棄物処理法違反の疑いで逮捕された。石膏ボードは砕かれた状態で、80の袋に分けて埋められており、(株)北斗(佐賀県鳥栖市、薙野宇代表)から運ばれてきたものだった。
関係者の話によると、建物の解体などで生じた廃石膏ボードは、産廃廃棄物収集運搬業者や一部建設会社などから北斗運営の中間処理施設にもち込まれたもの。石膏ボードは処理場のプラントで細かく破砕され粉状になり、袋詰されていた。その後、セメント会社などへ販売されていたという。
北斗へ処理委託をしていた業者は、「契約前に処理場を見学したうえに、北斗が地場大手セメント会社への販売ルートを確立させたと聞いていたこともあり、信用した」と話している。また「卸先が購入する以上の石膏ボードがもち込まれたために、行き場をなくした分が不法投棄されたのではないか」と話す業界関係者もいた。
いずれにせよ、鳥栖市の処理場で粉状になった大量の石膏ボードが県外に運び出され、鹿児島県内の山中に捨てられていたのである。8月に鹿児島県志布志市の不法投棄現場を訪れたが、すでに草木が生い茂り、丘のような状態になっていた。一部、袋状のものが確認できたが、袋が破れた様子が年月の経過を物語っていた。
鹿児島県が撤去説明会を開催
今年7月、不法投棄された廃石膏ボードの処理をめぐり、鹿児島県が動いた―。鹿児島県廃棄物・リサイクル対策課が北斗に産廃処理を依頼した約500社宛に、文書を通知。それは、不法投棄の撤去方針とその説明会開催についての知らせだった。説明会会場には対応に困った事業者が多数詰めかけたが、多くの疑問点や消化不良を残したまま、会場を後にする参加者が目立った。納得できない排出事業者の表情には、理由があったのだ。
(つづく)
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