斜陽のパチンコ業界 苦戦が続くメーカーでは再編が加速(後)
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二大巨頭がタッグを組む!?
決して順風満帆とは言い難いユニバ。ついには、他社との合併の話まで浮上した。昨年ごろからファンの間で囁かれ始めたある噂がある。「二大メーカーが合併する」というものだ。二大メーカーとは、ユニバ、そしてセガサミーである。
セガサミーの18年3月期の業績は、売上高は前期比で432億7,500万円の減収、経常利益は139億6,400万円の減益だが、それでも売上高は3,236億6,400万円、経常利益は145億7,800万円を計上しており、上場パチンコメーカー7社中最高の業績を誇っている。合併相手としてはお互いに申し分のないパートナー、まさに最強タッグだ。
ユニバとセガサミーの合併話に信ぴょう性をもたせているのが、両社が出資割合50:50で16年3月に設立させた合弁会社、(株)ジーク、そして、同年初の共同開催となった「ユニバーサルカーニバル×サミーフェスティバル」の存在だ。
ジークは、両社が遊技機の部品のプラットフォーム化を視野に入れ、永続的に協業を推進していくことを目的として設立。遊技機の部品や関連機器の仕入れから製造、販売までを手がけている。主な販売先はユニバ、セガサミー。
「ユニバーサルカーニバル×サミーフェスティバル」は、国内最大規模のファンイベント。最新のパチンコ・パチスロを体験できるほか、プロレスなどのショーイベントも充実。会場でしか手に入らない限定商品もあり、17年開催時は1万7,000人を超える集客に成功している。
また、ユニバの看板遊技機「GOD」シリーズ。サミーの人気遊技機「獣王」シリーズ。両シリーズの特徴的な演出が相互活用されるなど、ファンにはたまらないコラボも近年増加している。こうした両社の蜜月ぶりが、多くのファンが「ユニバとセガサミーが合併する」という話を根強く信じる論拠となっている。では、実際のところどうなのか。両社にズバリ問い合わせてみた。ユニバは「合弁会社ジークの設立・運営、ユニバカ×サミフェス共同開催など、相互に事業上の協力関係にあります」と話し、本筋の質問への回答は避けた。セガサミーは「会社経営に関する個別のご質問については一切ご回答いたしかねます」とし、事実上の回答拒否だった。
遊技人口は1,000万人を割り込んだ。ホール間の競争は激しさを増し、倒産やM&Aによる統廃合が進む。ホールの数が減れば、当然メーカー間の新台売り込み合戦もし烈になる。メーカー間のM&Aがあっても不思議ではない。
21年1月末を期限とする、旧基準機から新基準機への総入れ替えによる1兆6,000億円超の“特需”はあるものの、特需以降を見据えた行動・決断がメーカーにはすでに求められているのだ。
(了)
【代 源太朗】【ユニバ元取締役会長・岡田氏の裁判の概要】
2017年12月27日、ユニバ子会社の香港法人Tiger Resort Asia Limited(以下、TRA)が岡田氏らに損害賠償などを求めて訴訟を提起した。
原告側の主張によると、15年2月から同年3月にかけて、岡田元会長が元本部長関与のもと、取締役会にはかることなく、独断で約1億3,500万香港ドル(約20億円)を、フィリピンでカジノリゾートプロジェクトを手がけるグループ会社TRAを通じて、第三者の外国法人に無担保・無利息で貸し付けた。
また、15年5月11日、岡田元会長はTRAの経理担当者に1,600万香港ドル(約2億円)の小切手を作成させ、これに署名し振り出した。同小切手は同月14日、第三者により取立てに回され、TRAの香港ドル口座から1,600万香港ドルが支払われたという。
さらに、ユニバも、今年3月30日に岡田氏を相手取り、訴訟を提起。米法人Aruze Gaming America,inc.が、ユニバが保有するゲーミング機器に関する特許を違法に使用し、米国でゲーミング機器を販売。これに岡田氏が違法に関与していたという。関連キーワード
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