2024年11月14日( 木 )

流通業界の2018年を振り返る(6)~「新日本スーパーマーケット同盟」旗揚げ

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 昨年12月25日に発表されたのがリテールパートナーズ(HD)とアークス、バローホールディングスによる「新日本スーパーマーケット同盟」の設立。売上高合計は1兆3,000億円に迫り、規模拡大を背景にイオン、セブン&アイHDに対抗する第3勢力を目指す。

 リテールの田中康男社長が地方スーパーの連合を思い立ったのはアークスの成功に刺激されてから。同社の横山清社長に教えを乞い、丸久、マルミヤストア、マルキョウの経営統合を実現した。

 東海・北陸を主地盤とするバローは食品スーパーを中心にドラッグストアやホームセンターを手がける複合流通企業。年商5,440億円と中部で旧ユニーにつぐ企業に育て上げたのが田代正美会長兼社長。独自の分社化戦略とM&Aで業容を拡大する一方、製造型小売業を志向し、プライベートブランドを同業スーパーに供給している。

 3社は「同盟」の担保として株式をもち合うが、業務面での提携は営業地域が離れているため名目的なものに限られる。むしろ、これを起爆剤に全国の地方スーパーを結集し、流通2強への対抗軸をつくることに狙いがありそうだ。

 リテールはAJS(オールジャパンスーパーマーケット協会)、アークスはCGC加入、バローは独立路線と背景や生き方が必ずしも一致しているわけではない。3社同盟が経営統合に発展すれば、所属団体を含めた再編が起きる可能性もある。

 人口減時代を迎え、市場縮小は避けられない。一方で、ドラッグストアやコンビニなどとの競争激化で食品スーパーの経営環境はこの先厳しい。3社同盟は生き残りを目指す地方スーパーの受け皿を目指す。

 カリスマ経営者の呼び声高い横山氏は80歳を超える。田代氏も71歳。同盟の今後に問題があるとすれば、カナメと目される横山氏の高齢だろう。

(つづく)

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