九大、世界初のセラミド機能解明につながる蛍光分子の開発に成功
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九州大学は7日、セラミドの細胞膜中の動きを、ありのままに観察できる蛍光分子の開発に世界で初めて成功したと発表した。
セラミドは肌の角質層の細胞間にある脂質の一種。肌の保湿バリア機能を示す成分で、細胞膜にも存在する。シグナル伝達物質としてアポトーシス(遺伝子で決められたメカニズムによって起こる細胞死)を制御することから、その重要性と役割が注目されるようになり、小麦やコンニャクなどにも含まれていることから、健康食品素材としても広く利用されている。
研究では同大学大学院理学研究院の松森信明教授の研究グループが、これまでセラミドの細胞膜での挙動が不明で、詳しい役割も解析できなかったことから、セラミドに親水性のリンカー(つなぎ手)を介して蛍光基を導入する新たなセラミド分子の開発に成功した。
研究グループは「セラミドは単純な分子なので、蛍光基を導入できる部位が限られている。今回、蛍光基を導入した分子頭部はセラミドの挙動に重要であると考えられており、ほとんどの研究者は、この部位に蛍光基を導入するとセラミド本来の挙動を示さなくなると予想していた。常識と思われていることを鵜呑みにせずに試してみることの重要性を改めて感じた」といい、細胞膜中でのセラミド分子の挙動を観察することが可能となったことから「細胞内でのセラミドの機能解明につながる重要なツールとして期待できる」としている。
なお、研究成果は1月4日に米国学術誌「Langmuir」のオンライン版で公開された。
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