2024年11月22日( 金 )

関東以西のゴミで成り立つ? 九州における地方の産廃処分場

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 産業廃棄物の最終処分場は埋め立てる為に一定の広さが必要で、環境への配慮とともに厳しい設置基準をクリアし、近隣住民の了解を得て始めて開業できる。市街地や住宅街などでは、開業できない可能性が高くなるのは当然で、都市部には少なく、多くが地方に設置される。

 しかし県内産廃は県内で処分するのが原則で、事業は自治体の経済規模に左右されることになる。建設廃材を例に取れば、九州では開発件数の多い福岡県で発生する産廃は多くなり、地方ではその逆。地方で開業できたとしても、産廃が発生しなければ運営が厳しくなるのは想像に難くない。

 仮に、県外廃棄物の受け入れを完全に停止してしまえば、地方の最終処分場は路頭に迷うことになり、さらに都市部で発生した産廃をもっていく先がなくなり、貯まる一方で混乱をきたす。不法投棄が横行することにもつながりかねず、やはり埋め立て処理が必要になってくる。

 業界関係者によると、九州においても地方の最終処分場は関東以西のゴミの受け入れをやっていかないと経営できないところもある。その為に、ダメなことはわかっていても目をつぶっているという。

 悩ましい現実だ。「適正に処理されれば、どこの産廃だって良い」という考え方もできるが、今はまだそこには至っていない。業界では、リサイクル概念の普及により法改正が続いている。かつては安定型処分場に埋め立てが可能な「安定型5品目」という区分もなかった。どんな産廃でも混合して埋め立て処理できた時代もある。不法投棄、不適正な処理による事故、環境への影響もあり、産廃の品目は細分化されていった。今後も厳格化されていく流れにあり、これが緩和されることはないだろう。

 中国の廃プラ受け入れ停止にあるように、海外にゴミをもって行くことも厳しくなりつつある。国土の狭い日本では埋め立て処理も限度があり、限りなく再利用するという考え方のほか、広域処理が今後一層必要になってくる。

【東城 洋平】

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