『脊振の自然に魅せられて』ホソバナコバイモ(細花小貝母 ユリ科)鑑賞
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3月9日(土曜日)、もう一度早春の山を楽しもうと、いつもの仲間3人を誘いました。
ルートは先週に続き椎原バス停から入る矢筈峠の方向ですが、再度マンサクを求めて違う谷に入るようにしました。入る人が少ない脊振山直下の谷です。
車谷の登山口から30分ほどの場所にマンサクと同じく、いち早く春を知らせてくれる野草がありました。ユリ科のホソバナコバイモです。先週は蕾が多く、ポツポツと蕾を開かせていましたが、1週間という時間は花たちにとって大事な時間です。
群生地が近くなるとメンバーの歩く速度が緩くなります。花が開いていないか背をかがめて背丈10cmほどのホソバナコバイモ探しに目を輝かせます。
「咲いとうばい」いつも賑やかなT先輩の声が聞こえました。1人を除いては辺りを見回し、お気に入りの花を探しています。
肝心のカメラを忘れた、と後輩の H君、途中からついてきた1人登山の女性はザックを背負ったまま超接写で花にカメラを向けています。
花に興味がない後輩の O君は先ほどからポケットに手を入れたまま佇んでいます。T先輩が「花に興味ないお前は連れて来れんばい」と O君をからかっていました。
私は登山者の姿を入れてローアングルでの撮影を試みました。
5年以上前まではホソバナコバイモの自生は僅かでしたが、時が経つに連れ数を増やしてきています。3年前は感動の声をあげるほど見事な数が咲いており、花が凛として咲いていました。それ以降は、盗掘もあるのか、少し減ったように思えます。
ホソバナコバイモは、なぜか人が歩く登山道の両脇に群生しています。人が恋しい植物なのでしょうか。
花が咲き終わると同じ仲間のカタクリ同様、すぐに三角形の小さな種を付けます。カタクリの種は蟻の食料として地中に保存され、食べ残された種が発芽して子孫を残します。発芽して花が咲き始める2葉になるまで6、7年かかると言われています。ホソバナコバイモの種をつける期間は短く、開花から1月もすると姿を消しています。
この日は登る人が少ない谷のマンサク1本を鑑賞して林道へ上がり、矢筈峠で休憩、山飯タイムにしました。谷歩きに付いてきた1人登山の熟年女性は「では」と金山方面へ足を向けて行きました。山歩きに慣れている女性でした。
山飯も終わり矢筈峠を下ってマンサク谷で先週に続き再びマンサクを鑑賞します。群生地のマンサクは太陽の温もりで見事に花を開かせ満開になっていました。
一部、咲き始めのものもありましたが、2週続けてマンサク鑑賞の山歩きを堪能できました。また、登って来るたくさんの1人歩きやグループ登山者と遭遇した一日となりました。
下り終わると、林道沿いに止めていた車はボディもフロントガラスも黄色い花粉で覆われていました。
2019年3月14日
脊振の自然を愛する会
代表 池田 友行関連キーワード
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