【金融最前線】スルガ銀行が生き残れるかどうかを検証する(前)
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昨年、「かぼちゃの馬車」が破綻によって(株)スマートデイズは民事再生法申請・監督命令を受け、提携金融機関であるスルガ銀行もその“悪行”に加担していると思われても仕方のない動きをしていたこともあり、業績に影響が出る事態となった。今回はそのスルガ銀行の財務状況についてみてみたい。
スマートデイズの破綻とスルガ銀行
シェアハウス運営・投資用不動産販売の(株)スマートデイズが2018年4月9日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請、監督命令を受けた。
同社はシェアハウスのサブリースでは草分け的な存在であり、入居者を対象に人材派遣事業にも参入するなど事業を拡大し、17年3月期には売上高316億9,600万円を計上。しかし、17年10月ごろから提携金融機関のスルガ銀行も、スマートデイズの持ち込み物件は危険と契約状況を大きく変更。寄宿舎型シェアハウスの新規販売が実質できなくしたという。そのためスマートデイズは収益を確保する必要に迫られ、オーナーに対して賃料改定通知を発送したことから信用不安が拡散。ついに18年1月、スマートデイズはオーナーに対する賃料支払いをストップ。一部オーナーが損害賠償請求訴訟の動きを見せるなど社会問題化し、民事再生法の申請をしたのだ。
負債は18年3月末時点で911人に対し60億3,500万円で、このうち約23億円がオーナー675人に対する負債だった。家賃保証契約を結んでいた「かぼちゃの馬車」が破綻したことから、家賃が入らなくなったオーナーは、スルガ銀行に借入金を返済できない深刻な事態に見舞われることになった。
このような事態を招いた要因について
スルガ銀行は普通に計算すると対象とならない融資であっても、融資ノルマを達成するため、(1)融資する個人の資産と収入をねつ造、(2)家賃を不正に高くして返済が可能なように見せる、(3)物件価格をねつ造、(4)金利の高いフリーローンなどの抱き合わせ融資を勧誘するなど、不正融資を知りながら、むしろ自らが積極的に関与していたといわれる。またスマートデイズは購入者を安心させるために、既存のシェアハウス「かぼちゃの馬車」にカーテンスキームをつけて、満室のように見せかけていたといわれる。このスマートデイズの破綻は「地銀の優等生」だったスルガ銀行が、「裸の王様」だったことを裏付けるともに、金融庁検査を受け、以下の行政命令が下った。
(1)平成30年10月12日(金)から平成31年4月12日(金)までの間、新規の投資用不動産融資を停止すること。
(2)また、自らの居住に充てる部分が建物全体の50%を下回る新規の住宅ローンについても同様に停止すること。(つづく)
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