安倍内閣退場への序曲となった衆院補選結果
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は政党のために主権者が存在するのではない、主権者のために政党が存在するのだ、と訴えた4月22日付の記事を紹介する。
4月21日、統一地方選の第2弾、ならびに衆議院議員補欠選挙が投開票日を迎えた。最大の焦点は大阪12区と沖縄3区の衆議院議員補欠選挙だった。大阪3区では日本維新の会の新人藤田文武氏が初当選した。沖縄3区ではオール沖縄の支援を受けた無所属新人屋良朝博氏が初当選した。自民党公認候補は両選挙区で落選した。
2012年12月の第2次内閣発足後、自民党が衆参の補選で敗北したのは、不戦敗だった2016年の衆院京都3区補選を除けば初めてのことである。
この夏には参議院議員通常選挙が予定されている。いよいよ安倍内閣終焉のときが近づいてきたと言える。
統一地方選を含めた今回の選挙で明らかになった事実がある。それは、既存の政党に対する不信が巨大なマグマとなって蓄積されていることだ。沖縄では沖縄の主権者の意思を踏みにじる安倍暴政に対する不信が沸騰している。
昨年9月の沖縄県知事選、本年2月の県民投票に続き、辺野古米軍基地建設を強行する安倍政治に対する県民の不信と怒りが拡大の一途を辿っている。
民主主義の社会で主権者である市民が、自らの意思を、正当に、そして明確に表示しているのに、為政者がこれを一顧だにしない。まさに民主主義そのものを踏みにじる行為だ。
沖縄においては、安倍政治を許さないとする大きく強固な連帯が形成されている。日本政治を刷新する上で、これ以上の手本はないという主権者の連帯、団結が形成されている。安倍内閣は金でほおを叩いて人民をひれ伏せさせる、という旧態依然の手法をまったく改めていない。
しかし、沖縄の主権者は、もはや「金で人の魂を買う」という差別主義に基づく傲慢な政治手法を受け付けないという成熟を示し始めている。沖縄の闘いを日本全土に広げることが、明日の日本を切り拓く原動力になると言えるだろう。他方、大阪の選挙結果が示していることは、既存政党に対する主権者の不信の拡大である。
自民党は安倍首相自ら選挙区に入り総力戦を展開したが大惨敗に終わった。メディアが重用する民間芸能会社の興行まで活用するという破廉恥行動まで示された。
メディアと芸能会社と政治権力の癒着ぶりが改めて浮かび上がった瞬間だった。しかしながら、大阪市民は権力を笠に着たパフォーマンスを一蹴した。私は日本維新の主張にまったく賛同しないが、大阪の市民は増長する権力に対する不信と不満の意識を膨張させていると見て取れる。
自民党の一部は確実に維新とつながっており、複雑な側面を有するが、旧態依然の自公勢力に対する風圧が強まっていることは明確である。同時に単純な野党共闘が人心を引き付ける力を失っていることも明らかになった。
※続きは4月22日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「安倍内閣退場実現する政策連合を構築せよ」で。
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