【業界ウォッチ】拡大を続ける健康食品市場
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生活者の健康志向の高まりを背景に、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品といった公的制度の導入も進み、健康食品市場は1兆円を超え拡大を続けている。
そのなかで、健康の維持・増進、老化防止、ダイエット、美容、栄養補給などさまざまな分野で、メーカーは商品開発に注力、ブームやヒットアイテムはめまぐるしく変わり、ドラッグストアなど店頭においても激しい販売競争が繰り広げられている。
最近の注目アイテムは、森永乳業の大人のための粉ミルク「ミルク生活プラス」。粉ミルクの高い栄養成分に着目し、50代以上に必要な栄養、機能性成分と同社独自の機能性素材をバランス良くまとめて摂取できる商品として開発した。
「ミルク生活」は2016年10月から通販限定商品として売られていたが、昨年4月から新たな成分も加え、ドラッグストアを中心に店頭での販売に踏み切った。健康意識の高い中高年女性に支持されており、成人用粉ミルクという新たなマーケットを切り拓いた。
ハウスウエルネス食品の眠りの深さや目覚めのすっきり感といった睡眠の質を向上させる機能性表示食品「ネルノダ」も、マーケットの小さかった睡眠カテゴリーで、今後市場を活性化しけん引する役割を期待されている。
韓国の100%果実発酵タイプの飲むお酢「美酢(ミチョ)」もいままでになかった商品で、売れ行きが良く、今後も新たな健康を軸とした商品が登場していき、ブームとなりそのなかから定着していくものが生まれるというサイクルを繰り返していく。
東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、伸び続けるスポーツ関連においては、たんぱく質ブームを受けて、プロテインの売上に勢いがある。粉末タイプだけではなく、手軽に摂取できる飲料やバーもよく売れている。
そのなかで、筋トレに効果があるといわれるHMBが注目され、スポーツサプリメントの売上をけん引する商品となっている。
美容カテゴリーでは、明治の「アミノコラーゲン」、資生堂の「ザ・コラーゲン」、大塚製薬の「エクエル」の売れ行きが目立つ。
市場全体を見回すと4年前に登場した「機能性表示食品」の市場拡大が目立つ。消費者庁への届出受理数は1,826件(19年4月末時点)を数え、特定保健用食品(トクホ)の許可件数1,068件を抜き、2,000億円市場となり、今後も伸長が見込まれている。
機能性表示食品は認知度も高まり、メーカーも商品開発に力を入れ、小売は話題になった商品や人気アイテムの売り込みに力を入れている。
しかし、市場には多くの商品が出回り、消費者はどの商品が自分に適しているか悩んでいる。
この悩みを解決し、店頭ではファーストチョイスの商品を提案できるよう、商品を並べるだけの単なる売り場でなく、機能性表示食品に限らず、正しく的確な情報を伝えて、1人ひとりの健康をサポートしていくことが求められている。
【西川 立一】
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