2024年12月23日( 月 )

九州地場ドラッグ4社、貫けるか自主独立路線~利益率は全国大手に見劣り

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 九州地場の中堅ドラッグストア4社の前期決算はそろって増収だったが、利益水準は全国チェーンに比べ見劣りする。

 マツモトキヨシHDとココカラファインが経営統合に向けた協議に入るなど、全国的な再編機運が高まるなか、自主独立路線を保持していくには収益力強化が欠かせない。

 九州のドラッグストア業界は、全国展開を進めるコスモス薬品が売上高5,580億円でダントツ、これを同じビジネスモデルのドラッグストアモリ(同1,356億円)が追撃、3位以下はローカルチェーンで大きく水が開くという構造。

 地場3位のJR九州ドラッグイレブンは九州域内での出店余地が減っていることから、2年前東京進出を打ち出したが、店舗数は4店にとどまる。

 大賀薬局、サンキュードラッグ、新生堂薬局は福岡県が主な営業地域で調剤薬局を兼営する。

 前期はJR九州ドラッグイレブンが経常利益で8.0%、当期純利益で14.4%のそれぞれ減益になったのを除くと、増益または黒字転換だった。

 経常利益率はドラッグイレブンが2.69%、サンキュードラッグ3.28%で4~6%台の全国チェーンに比べ見劣りする。大賀薬局の当期純利益はわずか800万円だった。唯一、新生堂の純利益率は2.71%と大手並みの水準だった。

 ドラッグストアは売上規模がものをいう。大手がM&Aや資本業務提携を推進するのは、最終的に生き残るのは規模の大きい少数の企業だけと見ているからだ。

 JR九州ドラッグイレブンを除くと地場3社はオーナー経営で地域密着のサービスで生き残りを目指す。ツルハなどの全国大手の出店攻勢が強まるなか、自主独立路線を維持できるかどうか、正念場を迎えようとしている。

<中堅ドラッグストア4社の前期決算>

・単位億円、カッコ内前期比増減率%、▲減、―比較不可。

JR九州ドラッグイレブン
売上高520(3.0)
当期純利益6.8(▲14.4)

大賀薬局
売上高236(5.1)
当期純利益0.08(―)

サンキュードラッグ
売上高230(0.7)
当期純利益5.0(18.3)

新生堂薬局
売上高199(4.6)
当期純利益5.4(54.3)

※JR九州ドラッグイレブン19年2月期、サンキュードラッグ同3月期、大賀薬局と新生堂薬局は18年9月期

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