2024年12月25日( 水 )

次代の担い手育成を掲げた「建学の精神」 創立者、徳野常道氏が第1期生を前に宣言

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
東福岡学園 校舎

私学の秀峰を目指し人格完成の教育を

創立者 徳野常道氏

 「今後の日本の再建は教育の振興によるべきで、青少年の教育が最も重要であり人格形成を目途して一生を教育に献げよう」。東福岡学園・高校の創立者、徳野常道氏は終戦を迎えた福岡県久留米の地でそう決意した。そして、これからの日本には英語教育が必要だと考え、「福岡米語義塾」を設立する。終戦からわずか3カ月後の1945(昭和20)年11月のことだった。これが東福岡学園・高校のルーツである。

 それから9年後の1954(昭和29)年11月、学校法人東福岡学園設立と東福岡高校の設置認可が下り、常道氏が理事長に就任。翌年の4月、247名の生徒を迎え、いよいよ開校する。

 この入学式で常道氏はこう宣言した。

「本校は私学の秀峰を目指し、全校あげて人格完成への理想教育に邁進(まいしん)しつつ、高等普通教育の完璧を期するとともに、特に進学に重点を置き、躾(しつけ)の教育にあたる」

これが現在も掲げる「建学の精神」である。

この精神のもと、「文武両道の男子進学校」として次代の担い手となる若者の育成を続けているが、そのための教育理念として以下を定めた。

教育理念
一、努力に勝る天才なし
一、意志あるところ道あり
一、親の心を心とした教育
  親の願いを願いとした教育

 そして、同校が目指す人物像として以下を掲げる。

人物像
一、誠実で責任感の強い人
一、研究心旺盛で、一芸一能に秀でた人
一、健康で明朗な人

 これら教育理念の実践と目指す人物像の実現のため、同校では具体的な教育方針を次のように打ち立てている。

大学進学のための学力向上 ―教務5原則―
【進路に応じて学力を伸ばすカリキュラム構成】

教科研究の推進
授業管理の徹底
適正な進路指導
課外授業の体系化
正課授業の充実

体育・文化活動の推進
体育・文化活動の活性化で自主性・協調性・責任感の強い人物を育成

生徒指導の徹底 ―生徒指導5原則―
【基本的な生活習慣を身につける指導】

服装の端正
出席の厳正
公共心の育成と挨拶の励行
校内美化の徹底
交通法規の遵守

「文武両道の男子進学校」という大輪の花

 この教育方針に従い、同校では進学に重点を置いた「進学コース」を創立時から設けた。2000(平成12)年には、九州大学など難関といわれる国立大学への現役合格を目指す「特進英数コース」を設立する。進学に対する一貫指導は大きく実を結び、九州大学をはじめとする国公立大学や有名私立大学への合格者を続々輩出。1998(平成10)年には同校として初めて東京大学の現役合格者が生まれている。

 その東大合格者も現在までに5人、京都大学へは9人、九州大学へは2002(平成14)年以降、毎年10人以上の合格者を出し、2010(平成22)年には23人にも上った。

 一方、運動の方だが、1965(昭和40)年、ボクシング部の梅谷忠吉氏(9期生)が全国高校総合体育大会で優勝。1970年代に入ると、剣道部や野球部、バスケットボール部、サッカー部などが躍動する。1984(昭和59)年にはラグビーフットボール部が全国大会(花園)に初出場。以後、サッカー部とともに「ヒガシ」の名を全国に轟かせる活躍を見せた。そして、2014(平成26)年にはラグビーフットボール部、バレーボール部、サッカー部により、全国大会団体競技7冠の偉業を達成している。

 徳野常道氏が久留米の地で一生を献げると決意した青少年教育は、建学の精神を礎に文武両道の男子進学校という大輪の花を見事に咲かせたといえるだろう。

関連キーワード

関連記事