武蔵小杉タワマン被災喝采日本の創設者
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回はいまこそ、経済政策のコペルニクス的転換を図るべきだと訴えた10月18日付の記事を紹介する。
「他人の不幸は蜜の味」といわれる。論語には次の一節がある。
有國有家者
不患寡而患不均
不患貧而患不安国を有(たも)ち家を有(たも)つ者は
寡(すくな)きを患(うれ)えずして均(ひと)しからざるを患う
貧(まず)しきを患えずして安(やす)からざるを患う為政者(国を統治し家を統治する者)は富が少ないことを心配せずに富が公平に分配されないことを心配する
人々の貧しさを心配せずに人々の心が安らかでないことを心配する
台風19号による豪雨によって川崎市の武蔵小杉では、タワーマンションで浸水などによる深刻な停電、駅で浸水などの被害が広がっているが、このことについてネット上に「流行りにのって武蔵小杉に住み始めた子連れ家族ざまあ」「武蔵小杉のタワマン買った人ざまあが見れたからよかった」などの投稿が広がっている。
武蔵小杉は近年「住みたい街」ランキングで上位に登場するプチハイソな土地になっている。駅前に林立するタワーマンションが人気の居住地になっていた。ここで被害に遭遇した人を見て歓喜の声をあげる人が多数存在する。
他方、台東区では避難所の区職員が避難所を訪れた路上生活者を拒絶する事例が報じられた。台東区長は対応の誤りについて謝罪したが、ネット上には「ホームレス排除は当然」の声も広がっている。
他者に対する「温かい思い」が希薄になっている。その最大の背景は、多くの人々が下流に押し流されていることだ。
自分自身が極めて過酷な状況に置かれていれば、他者に対する「温かい思い」を保持する余裕はなくなる。当然のことだろう。
他者に対して「温かな思い」を寄せることができるためには、当人の境遇に余裕が必要なのだ。路上生活者に対して「温かな思い」をかけることができないのも、当人が過酷な状況に置かれているからだ。
国税庁が発表する民間給与実態調査の2017年統計によれば、1年を通じて勤務した給与所得者4,945万人のうち、年収200万円以下が全体の21.9%、1,085万人だった。年収400万円以下は全体の55.2%、2,730万人だった。
所得税では、夫婦子2人の標準世帯の場合、片働きであれば、年間の給与収入354.5万円までは所得税負担が生じない。生存権を守るために、生きてゆくために必要な最低限の収入に対しては税金を徴収していないのだ。ところが、消費税は違う。消費金額の10%のお金を、有無を言わせずにむしり取る。
国民生活は疲弊しきっている。安倍内閣の下で雇用が増えたというが、増えた雇用の4分の3は非正規雇用である。労働者1人あたりの実質賃金は第2次安倍内閣が発足してから5%も減った。
社会保険料は軒並み引き上げられ、他方で、年金の支給開始年齢は引き上げられている。高齢者の医療費自己負担は増大の一途を辿り、介護保険の保険料、自己負担も上昇の一途をたどっている。
汗水流して一生懸命働いているのに、まともな暮らしができる収入を得られない。この人々を大量生産しているのが安倍内閣なのだ。
※続きは10月18日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「れいわ新選組経済政策ルーツとその目的」で。
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