【東福岡高等学校】最新技術と設備を導入し学習環境を向上 学園創立65周年記念にふさわしい新校舎(前)
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地球環境を考える「エコ・スクール」へ
東福岡高等学校は旧福岡商業高校跡を利用して歴史を刻んでいたが、校舎は築80年を越え、建替えが課題となっていた。そこで、学園創立65周年・高校創立55周年を迎える機会に記念事業として5階建ての新校舎建設を計画。2007(平成19)年に着工し、2010(平成22)年11月、すべての工事を終えた。それにともない、先進的な施設・設備を導入し、生徒の学習環境を飛躍的に向上させている。
新校舎建設に当たって掲げたコンセプトが「エコ・スクール」だ。地球環境問題は年々、深刻度を増し、1人ひとりが自分の問題として取り組まなければならないレベルにある。そこで新校舎建設では高校を単に学習の場としてではなく、毎日の学校生活のなかで地球環境問題を考える場にすることを目指した。
具体的には、風力発電施設、校舎屋上のソーラーシステム、トイレや散水に利用できる雨水の活用施設、一年を通して安定している地中の温度を利用する空調システム、空気中の水分を除去して快適な空間管理ができ高いエネルギー効率を誇るデシカント空調機、ガスを使って電気と熱の2つのエネルギーをつくるコ・ジェネレーションシステム、人感センサー・あかりセンサーなどを導入している。
さらに円形の花壇「センターサークル」を中心に設計した緑豊かな中庭も忘れてはならない。中庭は以前、校舎の北東側、すなわちグラウンド側にあり「ふれあい広場」と呼ばれていたが、新校舎では正反対の南西側に配置。さらに建物2階から5階に向けて階段状に屋上庭園を設け、「ふれあい広場」に替わる憩いの場としている。こうして中庭から屋上庭園にかけて緑のラインをつくることで、清々しく開放的な雰囲気が生まれた。
また、本館旧校舎のシンボルだった正面玄関部分をモニュメントとして残し、本館へ通ずるゲートにしているのも特徴だ。
生徒は毎朝、このゲートをくぐり、中庭を見ることになる。そこは都会のなかにあって光と緑にあふれ風が吹き抜ける別世界。樹木を囲むように配したベンチも設け、休憩時間などに利用できるようになっているが、登校のたび、休憩のたびに自然の大切さを実感するのではないだろうか。
(つづく)
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