【東福岡高等学校】最新技術と設備を導入し学習環境を向上 学園創立65周年記念にふさわしい新校舎(後)
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海外の歴史ある大学図書館をイメージ
新校舎のなかでも本館3階にある「情報メディアセンター」(図書館)はとくに注目したい施設だ。ここに一歩足を踏み入れると、吹き抜け構造になった開放感あふれる空間に驚かされる。床から天井までの高さが3.9m、幅17.6m、奥行きが26.5mもあるフロアはすべてが閲覧室になっており、そこに210席分のテーブルと椅子が整然と並ぶ。ほかにブラウジングルーム(高さ3.8m、幅12.2m、奥行き11.7m)も備えている。図書館といえば本棚がフロアを所狭しと埋めている姿が思い浮かぶが、ここではそんなおなじみの光景が見られないのだ。
実は情報メディアセンターのデザインコンセプトは「本の背表紙がインテリア」というユニークなもの。海外の歴史ある大学の図書館をイメージしたというコンセプト通り、本棚は2階建てに相当する壁面にフロアを囲むように並び、そこに収めた本の背表紙が空間を彩る。上層の本棚用に設けた回廊もまさに大学図書館を思わせ、印象深い。
蔵書数は約4万8000冊。全国の高校図書館の蔵書数は平均2万6000冊弱という全国学校図書館協議会による調査があるが、それをはるかに上回る。
一方で、2006(平成18)年から「先生オススメの一冊」という読書を奨励する運動も始めている。これは小説や科学書などジャンルにとらわれず、教師が生徒に読んで欲しい本を定期的に選び、情報メディアセンター内に掲示。教師自ら手書きした推薦コメントを顔写真とともに載せた冊子もつくり、本を読むよろこびやおすすめのポイントなどを伝えている。
また、3階には時代の先端をいくICT教室がある。ICTとはinformation and communication technologyの頭文字を取った「情報通信技術」のことで、この教室では電子黒板機能を内蔵したプロジェクターとiPadを駆使。生徒が受動的に授業を受けるのではなく、グループディカッションやグループワークで能動的に学びを深めている。
重厚な講堂、視聴覚教室や多目的ホールも
本館の4階・5階には「創立者徳野常道先生記念講堂」がある。ここは同学園の創立者である徳野常道氏を顕彰する講堂で、本館の象徴といえる施設。正面に重厚感あふれる緞帳を備えた舞台があり、そこに向けて緩やかに傾斜をつけたフロアに860人を収容できる座席を設けている。
また、音響にもこだわり、耳に音が心地よく響く指針である残響時間を、講演に最も適した1秒という値に設定。300インチの映像スクリーンを備え、学校式典や講演会の開催、演劇・演奏会の上演も可能になっている。
1階に目を転じると、そこは視聴覚教室になっている。最新の映像・音響設備を備え、半地下形式の小ホールのようなつくりになっており、100人を収容できる。半地下なので音が外に漏れる心配もなく、小規模のイベントや地域の小中学校のブラスバンド部の発表会などにも使われている。
この本館とつながり、2016年に完成した清風館5階にはHIKARI SQUAREがある。ここには200インチスクリーンとプロジェクターを備えたステージがあり、270人を収容可能。学習やイベントなど多目的に使うことができる。
(了)
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