高麗人参が受験生の体調を守り記憶と集中力を高める~予防医療の新しい風(3)
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海風診療所 院長 沼田 光生 氏
予防医療・健康増進を実践する医療施設として、全国から年間延べ3万人以上が訪れる診療所として注目されているのが海風診療所。今回、院長・沼田光生氏に、同院が推進する、予防医療事業の内容について聞いてみた。
――高麗人参について詳しくお聞きしたいのですが・・・。いわゆる「ブレインフード」として、健康食品・サプリメント形状以外に、お茶タイプなど、健康飲料として利用されていると聞きます。
沼田 光生 氏(以下、沼田) 私は高校の学校医をしておりまして、主に若年層に薦めています。今の学生は活気がない、便秘や病気しがち、学力に関しても昔に比べると勉強に対する意欲が薄れ気味の人が多いですね。高麗人参が、そのすべてをサポートできるわけではありませんが、活力や集中力を高め、学習する意欲を高める作用が期待できますので、その入り口として大いに活用していただくよう薦めています。また高齢者で認知機能に不安を抱えている方が、日常的に飲むお茶として利用されています。
――「ブレインフード」としての観点でもう少し詳しくお聞きしたいのですが、それはどのようなものであり、そのなかでの高麗人参の役割を教えていただけますか。
沼田 脳外科医の立場としてお話しますと、血液が脳に行く過程に「ブラッドブレインバリア」という関門のようなものがあり、さまざまな成分が何でもかんでも脳に入らないような構造になっています。
脳は必要な栄養成分を選択して脳内でつくり上げる仕組みになっており、それに必要な成分はアミノ酸やビタミン・ミネラルなどで、ブレインフードとして含まれていなければならない栄養素です。それを満たした血液が運ぶかたちになります。
高麗人参には、こうした成分がバランス良く含まれているほか、「ジンセノサイド」と呼ばれる、ステロイド様の特有の栄養成分があります。ジンセノサイドが血液を通じてどのようにブラッドブレインバリアを通過するかという仕組みはまだ解明されていませんが、脳に入り、さまざまな作用に寄与しているのではないかと考えています。――「ジンセノサイド」はあまり聞き慣れない成分ですが、具体的にどのような作用が期待できるのでしょうか。
沼田 先程申し上げた「紅参末」と呼ぶ漢方薬として、血流改善のほか、活力・エネルギー補充に良い薬として処方されています。その関与成分ですね。これに加え、脳の働きを活性化させることで記憶力や集中力を高めることが、韓国では臨床試験などで明らかにされています。
最近では国内企業でも、山口県で高麗人参茶を販売する、チョイスジャパンという企業が、若年層を対象とした高麗人参茶を摂取した臨床試験で記憶力の向上が明らかになったと、学術論文として発表しています。加えて県内の学習塾でもモニター試験を行っていて、有用性が確認されていると聞きました。(つづく)
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