学校医・産業医として伝えたい~予防医療の新しい風(5)
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――高麗人参の摂取について、ほかにお伝えしている点はございますか。
沼田 光生氏(以下、沼田) ほかの健康食品・サプリメントの摂取にもいえることですが、高麗人参が風邪やインフルエンザ対策に良いということに間違いはありませんが、予防医療の観点から、発症してから摂取するのではなく、効果的に作用が期待できますので、日頃から摂取することをお勧めします。
高麗人参の知名度は非常に高いですが、医療関係者含め、体に良いという事は分かっていても、その多岐に渡る有用性については、まだまだ知られておらず、認知度を高めていかなければならないと思います。
昨今、健康食品・サプリメント分野において、高麗人参はワンカテゴリーとして大手・中小に関わらず、商品が多くありますが、健康茶としての数はまだまだ少ないです。そうした中で、チョイスジャパン社のように、これまで誰も取り組まず、明らかにされていなかった国内での臨床試験を実施し、特に若年層の機能性が確認されたことは、非常に大きな事だと思いますし、記憶というエビデンスだけでなく、予防医療や健康増進を推進する上で、多くの方が摂取するきっかけになっています。
――学校医として、学生の食生活でご指導されている内容を教えて下さい。
沼田 先ほどの受験生に対する対策のほか、学校医として、卒業してこれから一人暮らしをする学生にアドバイスを送ってほしいといわれ、コンビニエンスストアにはできるだけ行かず、販売されている食品はあまり摂取しないようにと話しました。大概のコンビニ食品の添加物にはトランス脂肪酸などの植物油脂を始め、体に優しくない添加物が含まれている商品が多いです。
保護者向けに講演する際にも、食卓にはできるだけ玄米、味噌汁、魚、野菜といった和食を中心に出していただきたいと伝えています。とくに魚については肘までの大きさの魚を摂るように勧めています。カツオやマグロといった大型魚は、たんぱく質は補給できますが、体に良くない水銀も多く含まれているためにあまり摂取しないように伝えています。一方で、味噌汁などの発酵食品は体にとても良いので常に摂っていただきたいですね。高麗人参も一緒に、普段の食生活のなかで継続的に摂取していただければと思います。
――沼田先生は学校医だけでなく、産業医としてもご活躍されているそうですね。
沼田 産業医はこれまで、行政の制度の義務的な感覚で診察しているケースが多かったと思います。しかし、昨今の健康経営の潮流から、企業の収益性を上げていくためには、従業員の健康増進が不可欠です。「プレゼンティーイズム(Presenteeism:従業員が出社していても、何らかの体調不良で頭や体が思うように働かず、本来発揮されるべき職務遂行能力が低下している状態)」といわれる人が多くなり、企業としては大きな問題となっています。しかし、コストとして現れない部分もあり、その原因に気付いていない企業経営者が多いのです。人口減少で人手不足が問題化されている昨今、いま働いている労働者にいかに元気に働いていただくか、そのための健康ケアが今まで以上に大きな課題になると思います。
――その健康ケアにおいて今後、企業経営者は具体的にどのような対策が必要になりますか。
沼田 情報が出ているわけではないので、産業医でそういった考えを持つ医師や予防医療を勉強されている医師を探すというのは、なかなか難しいでしょう。まずは経営者が日頃の健康維持・増進のために食生活などのコントロールを自らが実践する。そこに向き合うことですよね。とくに中小企業の経営者の方には取り組んでいただきたいです。予防医療に取り組むことは、企業の永続のために重要だと思います。
<プロフィール>
沼田 光生 氏
1964年山口県生まれ。山口大学医学部卒業後、大阪大学医学部付属病院、阪和記念病院、大阪脳神経外科病院で勤務。03年に山口県周南市築港町に海風診療所を設立。10年に予防医療の総合施設「トレーフル・ブリュス」を開業。学校医・産業医としても精力的に活動している。▼関連リンク
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