国家の嘘を告発する市民が政治を変える
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は「官邸主導」の大義名分の下で官僚の人事権を濫用していると安倍内閣を痛烈に批判した11月29日付の記事を紹介する。
桜疑惑でも安倍首相は嘘をつく。「息を吐くように嘘をつく」と言われるが、教育に与える影響も無視できない。
ホテルニューオータニの大宴会場で寿司のカウンターをはじめとする食材がふんだんに用意され、アルコールを含む飲み物が制限なく振る舞われ、費用が1人5,000円はあり得ない。主催は安倍晋三後援会。それにもかかわらず、安倍事務所が会計に関与しないという。
参加者が直接ホテルに費用を支払い、ホテルが参加者に直接領収書を交付した。宴会の明細書もなければ見積書もない。こんな話を信用する者はいない。
安倍首相はホテルニューオータニと口裏合わせを行い、つじつまを合わせて一方的に発表した。しかし、国会での質疑に応じない。これが日本の総理大臣の行状である。
日本が没落するのも無理のないことだ。
『国家はいつも嘘をつく--日本国民を欺く9のペテン』
(祥伝社新書)を上梓したが、改めて国家の嘘をじっくりと吟味賜りたい。
ベトナム戦争の嘘を暴露する良心的告発を行ったのがダニエル・エルズバーグ氏。エルズバーグ氏は米国の経済学者。米国国務省に勤務し、のち、防衛総省(ペンタゴン)で国防次官補補佐官に就任した。1971年、自らも執筆に加わったベトナム政策決定過程に関する国防総省秘密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」を「ニューヨーク・タイムズ」や「ワシントン・ポスト」などに持ち込んで暴露し、世論に反戦を訴えた。
米国は1964年以降、ベトナム戦争に本格的に介入していった。その契機になったのが1964年に起きたトンキン湾事件。米国の軍艦が北ベトナムに攻撃されたというものだが、実際は、米国がねつ造した事件だった。ペンタゴン・ペーパーズには、このことも記述されていた。
米国版の「国家の嘘」がペンタゴン・ペーパーズにはふんだんに盛り込まれている。ベトナム戦争の嘘を暴露する良心的告発を行ったエルズバーグ氏。ニクソン大統領を畏れさせ、スキャンダルにより窮地に追い込み、のちにエドワード・スノーデンをして「彼がいなければスノーデンもいなかった」と言わしめた人物は、差し迫る核戦争のもたらす惨禍を政府内部でどのように知ったのか。政府高官になるまでどんな人生を辿り、いかなる内心の葛藤を経て、戦争の嘘を語る膨大な内部文書を告発するに至ったのか。
驚嘆すべき具体的な記憶を語った単独インタビューの記録が公刊された。
『国家機密と良心: 私はなぜペンタゴン情報を暴露したか』
(岩波ブックレット、ダニエル・エルズバーグ著、梓澤登・若林希和訳)驚嘆すべき記憶を詳細に語った単独インタビューの記録である。このインタビューを企画した弁護士の梓澤和幸氏が彼の信条、人となりを、スライドを用いて紹介する。
※続きは11月29日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「『官僚と良心』を語るトークイベント」で。
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