【スクープ】「桜を見る会」で安倍首相「弟(岸信夫)」枠も存在か?~疑惑の写真を入手
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■写真中央で仁王立ちする「安倍弟」=岸信夫氏
「桜を見る会」の安倍首相推薦枠で「ジャパンライフ」会長(当時)が招待されたのかが臨時国会の焦点になるなか、新たな首相推薦枠を示唆する集合写真2枚を入手した。安倍首相の弟・岸信夫衆院議員(山口2区)の選挙区内の地元建設業者や福田良彦・岩国市長(山口2区の元自民党衆院議員)らが大挙して前夜祭に参加、翌日の「桜を見る会」にも、来年1月告示の岩国市長選で福田氏の選対本部長を務める建設会社相談役が招かれていたのだ。
写真を提供した地元事情通は、選挙との関連性についてこう解説する。
「前夜祭には、岸議員や福田市長の選挙で熱心に支援してきた『(有)錦生コン』の西山隆宏社長ら地元建設会社トップが軒並み参加しています。どの社も岩国市の指名業者ですが、翌日の『桜を見る会』に招かれていた『(株)ミヤベ』の宮部隆幸相談役は、四選出馬表明をした福田市長の選対本部長です」
写真A(2017年のもの)、ライトに照らされる場所での集合写真で、中央左に仁王立ちしているのが安倍首相弟の岸氏(黒い背広姿)。最前列で右手を開いて振っている女性が岸智香子夫人で、岸夫妻に挟まれて最前列中央で膝に手をかけているのが福田氏だ。
「岸氏と福田氏の選挙に熱心」(地元事情通)という「(有)錦生コン」の西山氏は上着と白いズボン姿で、一番右でピースをしている女性の隣にいる。「どんな功績があって招待されたのか」について直に聞こうと、同社を11月26日に訪ねたが、社長は出張で不在。受付の社員に私の名刺を渡して「電話をいただきたい」と頼んだが、3日後の29日15時の時点で連絡はまだない。
錦生コン以外にも、4人の地元建設会社社長が前夜祭に参加していた。「いずれも岩国市の指名業者」(地元事情通)だという。
(写真説明)
(1)「(株)森野組」の森野友輝弘社長は、西山氏の左下隣で赤い服を着た女の子を抱いている男性。
(2)「長畑工業(株)」の長畑克典社長は、岸氏の左隣で黒い服の男性。
(3)「(株)藤川興業所」の藤川偉大社長は、長畑氏の左隣で黒い服の男性。
(4)「(株)ガンシン」の木下貴史社長は、左端でピースをしている黒い服の男性。■非安倍派市民を排除~下関市議から怒りの声
もう1枚の集合写真(2016年のもの)は、新宿御苑で開かれた「桜を見る会」で撮影されたもので、最前列の右から6人目、が岸氏だが、ここで注目すべきは、福田氏の選対本部長を務める「(株)ミヤベ」の宮部隆幸相談役がいることだ。2列目の右から5人目で、白い着物姿と白い洋服姿の女性に挟まれている白髪の男性で、赤と白のネクタイをしているのが宮部氏だ。
ギブ・アンド・テイクの関係とはこのことだ。都内一流ホテル(ホテルニューオータニ)で開かれた前夜祭は5,000円の格安価格で、翌日の公金投入の「桜を見る会」も飲み食い無料で芸能人など有名人にも遭遇できるイベント。ネット上で招待券が数万円で売買されるほど価値のあるものだった。安倍首相の「弟枠」を使って岸氏が、国政選挙や地方選挙で集票活動に汗をかく支援者(建設業者)にご褒美をプレゼントしたように見える。選挙民への寄附(買収)を禁じた公職選挙法に違反する可能性が高いのではないか。
安倍首相の地元・下関市(山口4区)でも、同様の関係が見て取れた。国政選挙や下関市長選などの地方選挙で汗をかく安倍派市議は「桜を見る会」に招待される一方、非安倍派市議には声がかからないという差別的対応がまかり通ってきたのだ。地元のアベ友優遇政治を追及してきた田辺よし子市議(無所属)は、こう話す。
「税金を使った『桜を見る会』への招待で、安倍派下関市議に声をかけ、私を含めた非安倍派市議は排除した。選挙で実働部隊となる系列市議への明らかな利益供与にあたり、選挙民への寄付を禁じた公職選挙法違反の疑いが濃厚です。選挙で市民の代表として選ばれたのが市議会議員なのですから、結果的に下関市民を差別したことにもなります」
■桜を見る会は選挙活動への功労賞
2017年3月の下関市長選では、安倍首相の秘書を7年半務めた元下関市議の前田晋太郎候補(市長)と、林(芳正・元農水大臣)派で3選を目指した中尾友昭候補(前市長)が激突、安倍首相支援の前田氏が初当選したが、この時、下関市議は安倍派と林派に分かれて田辺氏は中尾氏支援に回った。
「地元下関では安倍首相と林元大臣がライバル関係にありますが、両者の代理戦争のような下関市長選で汗をかき、首相直系市長誕生に貢献した安倍派市議が『桜を見る会』に招待された。選挙活動への論功行賞のように見えるのはこのためです」(田辺氏)
山口4区の下関市でも山口2区の岩国市でも、安倍首相および親族に各種選挙で貢献する人たち(市議や建設業者)が公金投入の「桜を見る会」や前夜祭でおいしい思いをするという点では共通していた。安倍首相の地元での“下関市議枠”に続いて、首相弟の岸氏の地元でも“岩国市長・地元業者枠”を示唆する集合写真が見つかったことで、公職選挙法違反の可能性はますます濃厚になったといえる。
12月1日と2日には野党追及チームが山口入り、下関などを現地調査する予定だが、終盤国会での与野党の攻防が注目される。
【横田 一/ジャーナリスト】
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