2024年11月27日( 水 )

『脊振の自然に魅せられて』「第2回 ブナ林調査」

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 3月18日に2回目のブナ林調査を行いました。

 金山周辺で「脊振の自然を愛する会」4人が集合、そこに植物に詳しい女性Kが応援に来てくれました。

 佐賀県側の金山脊振林道を利用し、中山地蔵登山口から金山(967m)へ登山開始。

 登山道を歩いて40分、標高900m、山頂近くになりアカガシが多く自生するなかにブナが現れ始めました。

 山頂近くの縦走路に風雨に耐えて成長し、枝を四方八方に広げた大きな1本のブナがありました。そのブナは金山の守り本尊のように佇んでいました。

 この周辺を見渡すと、福岡県側の北斜面に幹周り1m、高さ15mもあるブナが数多く自生し、ほとんどが美しい姿で天高く聳えていました。

四方にたくさんの枝を伸ばす大きなブナ
四方にたくさんの枝を伸ばす大きなブナ

 ここから、さらに縦走路を東に脊振山方向に進むと、圧倒されるほど大きなブナが現れてきました。2人がかりで幹周りを測ると3mほどでした。

 さらに進むと、縦走路の左右にどっしりと根を下ろした巨大なブナ林が見えてきました。長い年月を生き延びてきたのがわかります。

 普段、何気なくブナ林の登山道を歩いていますが、ブナの調査をして改めて脊振山系のブナの素晴らしさを知ることとなりました。

 調査を進めるうち、あまりにもブナの数が多すぎて測りきれず、巨木なブナのみ計測することにしました。

 最大のブナは幹周り280cm、高さ15m(目測)。記録係のKはノートに親分と書いていました。

2人がかりでブナの幹を計測する
2人がかりでブナの幹を計測する

 ワンゲルの先輩で副代表のTが「参加者を多く募り、計測、カウント、記録の3人体制の4グループで再度調査をやろう」と言ってくれました。私の頭のなかに、人集めと日程のことがめぐりました。

 調査が一段落して、参加者の誰もが脊振のブナの素晴らしさを改めて知り、調査の楽しさを味わいました。

 巨大なブナ林のなか、参加者に用意したコンビニのおにぎりと簡易味噌汁で昼食をとりました。ワンゲル後輩のHがデコポン、Kが夏ミカンの皮でつくった手づくりゼリーを振る舞ってくれました。山仲間と楽しいひとときです。

 休憩した場所は金山と小爪峠縦走路の鞍部にあたり、ここから金山山頂を迂回して藪漕ぎルートを下ることにしました。Tのお気に入りコースです。

 樹木のなか、下山ルートを30分歩くとブナが何本かありました。標高800mあたりで群生はせず、種が飛んだのかまばらに生えていました。

 朝歩いた金山の登山ルートにやっと出ました。藪漕ぎは四方を確認しながら進みますが、集中しないとルートを外すことがあります。

 金山山頂ルートをとると登り返すことになり、迂回することで15分は短縮できました。そこから20分下り、登山口に戻ると午後2時過ぎでした。

 皆、満足した顔つきで、そして「楽しかったですね」と言葉を交わし、それぞれの車で自宅に向かいました。

ハプニングに遭遇

 林道を5分走ると軽自動車が道路から半分ずり落ち、高齢の女性2人が戸惑った様子で立っていました。

 「押してやろう」とT、後ろに付いてくる仲間の車も止め、林道から滑り落ちた車を男4人で押し上げました。女性の運転する軽自動車はエンジンをふかし、どうにかアスファルトの林道に戻れました。

 後輪のタイヤは泥だらけでした。道を間違ったと思い、慌ててUターンし道路から半分滑り落ちたのです。名前も告げず現場を後にしました。

 「良いことをしたら気持ちがいいな!」と、いつも賑やかなT。有意義な1日でした。

 金山周辺のブナ林再調査は、4月3日(金)に計画。ブナの調査は落葉している4月上旬までが、適していると思います。

2020年3月25日
脊振の自然を愛する会
代表 池田 友行

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