ユーグレナ摂取で免疫・神経細胞に作用することを示唆
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(株)ユーグレナ(本社:東京都港区、出雲充社長)は30日、東京医科歯科大学との共同研究で、微細藻類ユーグレナに含有する成分「パラミロン」の腸管における免疫細胞や神経細胞への作用に関する研究結果を発表した。
腸管は、食物の栄養を吸収するだけでなく、病原体を防御する免疫細胞や、末梢神経の半数以上が集まる臓器で、生体の恒常性維持に大切な役割をはたしている。研究内容は、ユーグレナを免疫細胞の一種である樹状細胞(免疫細胞の一種で、侵入した異物を取り込み分解して、ほかの免疫細胞を活性化させるために指令を出す細胞)に発現させた遺伝子改変マウスの腹腔内に投与した。結果、小腸パイエル板(リンパ球や樹状細胞が集積する末梢リンパ組織)に局在する樹状細胞において、指標とした、細胞内の情報伝達に関わるカルシウム「Ca2+」の濃度が上昇したことを確認した。
さらに同マウスから採取した後根神経節由来の神経細胞を用いて、知覚神経細胞の細胞内でのCa2+濃度変化を検証したところ、知覚神経細胞にユーグレナを添加した場合はCa2+濃度が上昇した一方、パラミロン単体成分を添加した場合は濃度に変化は見られず、パラミロン以外のユーグレナに含まれている成分が、腸管の知覚神経へ影響を与えていることが示唆された。
研究成果は、(公社)日本農芸化学会が主催する学術大会「日本農芸化学会2020年度大会」で発表する予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で、政府が2月26日に発表した「大規模なスポーツや文化イベントなどについて中止か延期、または規模を縮小するよう要請する考え」への対応で同大会は中止となり、同大会ホームページ上での講演要旨集に掲載するかたちで発表している。
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