【新型コロナ感染予防にも効果?】ダチョウの抗体で感染症予防 みやき町が医療法人と協定
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佐賀県みやき町は4月30日、医療法人聖療会・青木優美クリニック(福岡市中央区)との間で「疾病および感染症予防などに関する協定」に調印した。30日に同町庁舎で開催された調印式には末安伸之・同町長、田添裕之・青木優美クリニック事務長らが参加した。
青木優美クリニックは、「がんにならない身体づくり」をコンセプトとして掲げ、早期発見、早期治療を提唱しており、光免疫療法、免疫細胞療法、遺伝子療法などの先端的ながん治療法などを全国から来院する患者に提供している。
同クリニックはまた、ダチョウの卵から抽出した抗体を用いた感染症予防の点鼻薬を製造する全国でわずか2カ所の医療施設の1つでもある(4月30日時点)。今般、みやき町と協定を結ぶことによって、同クリニックからみやき町に点鼻薬を100本提供し、今後も供給を行いやすくする枠組みを整えた。
みやき町は「健幸長寿のまちづくり」や予防医療の推進を図っている。新型コロナウイルスによる新型肺炎などの感染症への予防として、受け取った点鼻薬を感染症指定病院などに提供する。末安町長は挨拶のなかで、感染への不安を抱える医療従事者の不安を解消し、医療崩壊を防ぎたいと強く語った。
同町はすでに点鼻薬50本を鳥栖保健所管内の一部感染症指定病院に提供しており、今後、残りの50本も他の感染症指定病院、介護施設に提供する。基礎疾患を有し不安を抱える同町民への提供も可能であるが、医師の診察を必要としており、青木優美クリニックも遠隔診療を行う予定にしている。
この点鼻薬は塚本康浩・京都府立大学学長がダチョウの免疫力の強さに注目し開発したものであり、2006年の新型インフルエンザ、15年のMERSの流行時にも予防に効果を発揮した実績を有するという。塚本氏が全国の幾つかの医療施設に点鼻薬の製造をもちかけたところ、青木優美クリニックと大阪府泉佐野市のりんくうメディカルクリニックが応じたようだ。5月からは東京の医療施設も製造を開始するとのことだ。
【茅野 雅弘】
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