【縄文道通信第45号】縄文道 天職ガイド―縄文人は海洋民族―海洋民族のパワーを蘇らせる(後)
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(一社)縄文道研究所
NetIB-Newsでは、(一社)縄文道研究所の「縄文道通信」を掲載していく。
今回は第45号の記事を紹介。
海運業が栄え、優れた造船の技術をもつ日本
村上水軍が活躍した瀬戸内海では、明治以降の富国強兵、殖産興業により、造船業や海運業が発達し、さらに海軍の拠点も設立された。広島県の江田島には戦前から海軍兵学校があった。今日でも今治、尾道、呉を中心に造船業が盛んだ。
日本は明治時代の開国以来、日清・日露戦争で勝利を収めたが、特筆すべき歴史的な快挙は、世界最大の海軍、ロシアのバルチック艦隊に東シナ海の海戦で勝利したことであった。
当時の連合艦隊司令官の東郷平八郎氏が開戦のときに話した言葉は、今でも語り継がれている。
「天気晴朗波高し、皇国の荒廃、この一戦にあり、各員一層奮励努力せよ」
東郷平八郎氏は、一挙に海軍の名前を高めた。弟子の海軍派である米内光政首相、第二次世界大戦の連合艦隊館長の山本五十六艦長に、海軍の血脈は受け継がれた。彼らは第二次世界大戦、とくに米国との戦いに反対派であった。
第二次世界大戦の敗戦後、日本の再興のカギは貿易立国として生き抜くことであった。そのための造船業と海運業、さらに商社の役割は極めて大きく、高度経済成長期には日本の造船業は世界一の地位を占め、海運業も隆盛を極め、世界中の海を日本の旗を立てた船が航行していた。
筆者も商社マンとして基礎資源である鉄鉱石の輸入ビジネスに携わっていたため、日本の鉄鋼業の隆盛ぶりが世界一であったことを肌で感じたものだった。日本の鉄鋼業、商社、海運会社が一丸となって、10~25万トン級の大型タンカーで、豪州、ブラジル、インド、ペルー、南アフリカから1億数千万トンに及ぶ鉄鉱石を輸入していた。10万トンのタンカーが毎年1,000隻以上、日本の大手鉄鋼会社の港に陸揚げされていたものだ。
日本が海運立国となり、日本人が海洋民族の末裔であることを認識した時代であった。
今も日本は世界と貿易を行い、海運業が栄えているが、造船の技術も優れており、世界最高の潜水艦は日本製と聞く。海底でほとんど音を出さずに運航可能な潜水艦をつくる技術をもつようだ。
縄文人パワーを蘇らせ、活かす時代に突入
日本人は縄文時代からまさに海の民族であり、我々の小学生時代には以下の海の歌を歌ってきた。
「我は海の子、白波のさわぐいそ辺の松原に、煙たなびくとまやこそ、わが懐かしき住家なれ」
縄文時代の狩猟、漁労民族としてのパワーは、現代人のなかにも眠っている。
スポーツの世界では、日本人も眠っている底力をラグビーやサッカーの激しい戦いで発揮しつつある。格闘技の世界、とくに柔道、剣道、空手道、合気道では、女性も含めて世界の第一線での日本人の活躍が目立つようになってきた。
日本人の眠れる底力の発揮は、閉塞感があるビジネスの世界では、少し遅れを取っている。縄文道―天職ガイドの立場から見ると、縄文人のリスクテイカー、チャレンジャーの精神やパワーがビジネスで十分に発揮されていない。
グローバルなDX化が進む時代こそ、ユヴァル・ノア・ハラリ博士が主張する「現代人が狩猟民族時代の五感を取り戻し、チャレンジングなリスクテイカーを育成するタイミング」だと思う。
縄文時代の縄文人パワーを現代に蘇らせ、未来に活かす時代に突入したのではないだろうか。
(了)
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