【縄文道通信第57号】大麦が日本を救う(前)
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(一社)縄文道研究所
Net-IB Newsでは、(一社)縄文道研究所の「縄文道通信」を掲載していく。
今回は第57号の記事を紹介。縄文時代から食されてきた大麦が救世主に
縄文時代に、縄文人は約1,500種類におよぶさまざまな自然の恵みを工夫して、食生活を営んできたことは、すでに考古学上でも実証されてきた。
たとえば、貝類350種類、魚類200種類、哺乳類60種類、鳥類80種類、海藻類90種類、栗、ゴボウ、根菜類、日本人の旨味である昆布、かつお、きのこは縄文時代からの源泉。日本各地にある実に多様な鍋料理は、縄文時代から引き継がれた食文化の象徴である。
縄文時代の晩期、今から約3,000年前から、弥生文化とダブっているが、大麦が日本に入り、各地で栽培され、食されてきたようだ。大麦は世界最古の穀物と言われ、約1万年前に現在のイスラエル近辺で栽培され、メソポタミア文明を起点として世界に伝搬された、人類史上もっとも長く愛されてきた穀物である。現在は欧米文化が生み出したウイスキーやビールの原料でもあり、食用のパンにも使われている。
この大麦が、縄文時代から営々と日本では戦前まで、コメと同様に日本人の主食の中心であった。日本で大麦博士といわれる大麦研究の第一人者である(一社)健康長寿実現推進機構の東海林義和理事長は、小生の畏友でもあるが、彼によると戦前は日本で約265万トン近く栽培され、主食の一部であった。
ところが終戦後、アメリカのGHQ政策で小麦が大量にアメリカから輸入され(現在約600万トンの輸入量)、給食をはじめ、小麦を原料としたパン食に切り替えられた。戦後、池田勇人首相が高度経済成長に驀進している中、「貧乏人は麦を食え」と述べた名言は、高齢者の国民の耳に残っている言葉だ。要するに、米と小麦を使用したパン食に主食を切り替える国策でもあった。
現在、日本の食用大麦生産量は約3万トンと、戦前の数十分の1に落ち込んだ状況にある。ところが、高度経済成長を遂げた日本人は、現在以下のような最悪の健康状態に陥ってしまった。
・心臓病
・高血圧
・糖尿病
・大腸がん
・メタボリックシンドローム
・エネルギー摂取過多上記の現代病のほとんどが、日本人が忘れ、放棄した大麦を食すれば解消するという結果が出ていることを紹介したい。「稀にみる健康食」ということなのだ。今や世界が認める大麦の機能性が実証されたのだ。
以下が具体的な効能である。
1.心臓病のリスク低減
2.コレステロール低下、正常化
3.食後血糖の上昇抑制、糖尿病の予防・管理
4.便秘の解消、排便の促進、美容効果
5.メタボリックシンドロームの予防
6.満腹感の持続作用、間食予防、エネルギー摂取量減少これらすべてについて、大麦に水溶性植物繊維(主成分のβ-グルカン)が含まれていることで、機能性が世界的に注目され始めている。世界的なテニスのスーパースターであるジョコビッチも大麦愛好のおかげで怪我が減少し、体調がいつも万全であることを書籍で記載している。
(つづく)
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