2024年12月21日( 土 )

中国経済新聞に学ぶ~2020年に中国人は何を消費したか?(後)

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淘宝の今年の10大人気商品 ネットユーザー「暮らしの匂いがする」

 淘宝(タオバオ)は2020年12月21日、20年に人気を集めた商品を発表し、マスク、ヘルメット、熱乾麺(武漢の軽食)などがトップ10入りした。今年のインターネットプラットフォームの人気商品の初の総まとめであり、ネットユーザーからの反響が大きく、「暮らしの匂いがする」といった感想が上がっている。

 今回のランキングでは、「若さ」がもっとも目立つ特徴だった。日用品のほか、女子高生(JK)の制服、ウルトラマン、スポーツウェア、盲盒(ブラインドボックス)などが並んだ。「90後(1990年代生まれ)」、「00後(2000年代生まれ)」がトレンド文化の消費ブームを起こし、流行や消費における新勢力がともに中国EC界の新たなトレンドを牽引している。

 今年はマスクが消費者の記憶にもっとも残る商品になった。新型コロナウイルス感染症が発生した当初はなかなか出回らなかったが、それから11月11日までの間に、中国は累計1,790億枚のマスクを世界に輸出した。1枚のマスクは、感染症と闘った中国と世界の人々を見つめ、最大の安全感を届けた。

 5Gスマートフォンの売れ行きの好調さから、消費者が新しい通信変革の波に積極的に乗ろうとしていることがわかる。現在、中国には5G基地局が71万8,000ヶ所あり、世界最大の5Gネットワークが建設され、科学技術が人々の消費の新たな主戦場になりつつある。

 ハンドミキサーはもっとも小さな家電だ。今年上半期は、感染症対策と自宅隔離の要求により、「おうち経済」に火がつき、小型家電が爆発的な成長を迎えた。不確実性が突きつけられたそのとき、人々は愛情と日々の食生活を大切にするようになり、暮らしのなかに彩りを添えようと努力した。

 熱々の熱乾麺は、まさに今年の食べ物だ。武漢が封鎖された70数日間、甘粛・蘭州の「蘭州拉麺」や浙江・杭州の「片児川」、北京の「炸醤麺」、上海の「陽春麺」など各地の名物麺料理が一緒になって、武漢の「熱乾麺」にエールを送るイラストが象徴していたように、人々は他の地域が武漢を支援するシーンを何度も目にしてきた。熱乾麺を買うことは、「がんばれ武漢」という気持ちを込めた無言のエールであり、おいしさも味わえる「いつも一緒だよ」のメッセージにもなった。

 注目されるのは、今年の10大商品に初めてサービス消費の「消費者の自宅を訪問してペットの猫に餌をやる」が入ったことだ。新型コロナウイルス感染症の拡大が深刻だった当時には感染症との闘いのために自宅に戻れない人がいたこと、ポストコロナでのペット経済の爆発的な成長、さらに社会の流動性の高まりなど、いくつかの要素が重なって、猫の世話の代行サービスが盛んになった。

 「20年が始まったばかりのころ、これほど大変な年になるとはまったく想像できなかったし、中国がこんなに早く谷底から抜け出せると考える人もいなかった」という声が聞こえる。例年に比べ、今年の淘宝の10大商品は特別な意味合いを帯びている。家と国を結びつけ、笑顔と涙をつなげ、14億人の中国人の暮らしの匂いを伝え、いつもとは違った20年の中国人をうかがわせるものとなっている。

(了)


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