【縄文道通信第62号】縄文道―能力Q~縄文道―武士道―未来道(前)
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(一社)縄文道研究所
Net-IB Newsでは、(一社)縄文道研究所の「縄文道通信」を掲載していく。
今回は第62号の記事を紹介。縄文道は能力Qの実践なり
2002年11月1日にビジネス社から発刊された拙著『能力Qセルフ・プロデュース』は、ある意味での縄文道の実践編を著している。「能力Q」の名付け親は、当時の企画会社、(株)全通企画の稲村哲社長である。稲村社長は縄文道の支援者でもあり、畏友でもある。ベストセラーも含まれる約4,500冊の書籍の企画経験があり、書籍の名前を付けるプロでもある。
その後、みずほ総合研究所(株)からの依頼で『超競争社会を勝ち抜く「能力Q」 開発法』が05年4月に発刊された。IQの偏差値時代は終焉し、EQを含めたPQ(PHYSICAL QUOTIENT)やSQ(SOUL QUOTIENT)が必要な時代であると考えて、エグゼクティブ・サーチ会社の経験と立場を通じて、来るべき時代の期待される人財像を示した。
日本が本格的グローバル時代に突入するなか、(公財)日本生産性本部の生産性出版からの能力Qに基づくグローバル人財論を著してほしいとの依頼で、12年に発刊されたのが『グローバル人財養成塾』。一万数千人の社長候補者から見えてくるものとは何かを述べている。
過去を振り返ると、能力Qの人財論が一貫して基本にある。能力Qは、縄文道と結びついている。従って、過去3編の縄文道通信は、以下の通りであった。
縄文道通信59号の身体知はPQ
縄文道通信60号の感性知はEQ
縄文道通信61号の融和知はSQながらHQ(HARMONIOUS QUOTIENT)であろう。すなわち縄文時代から日本人に備わった文化的素地は以下の通りに、現代的に要約される。
能力Q=EQ,PQ,HQにIQを付加した三位一体
従って、日本語では、身体知・感性知・融和知と「知」を加えている。今後の日本の将来の教育的観点から、この三位一体の実践を述べてみたい。
PQ(PHYSICAL QUOTIENT) 身体知の実践
日本が歴史的、伝統的に継承してきた武術、武道の教育課程で、さらに積極的に導入され、実践されるのがPQであろう。武道は、相撲、剣道、柔道、弓道、空手、合気道などがあるが、筆者が注目するのは合気道だ。世界約139カ国で150万人近い人間が、防御の武術として学び、とくに女性の間で浸透している。開祖の植芝盛平が日本の武術のすべての要素を取り入れて、茨木県の岩間市に合気道を開いたのは昭和である。天才的名人が合気道の極意をこう述べている。
「敵対する相手の心を笑顔で無力化する」。
要するに修練を重ねて技量を磨けば、何時でも相手の力を利用して、瞬時に投げ飛ばせる。そのレベルになった達人の言葉だ。弟子の塩田剛三は日本一の武道家であった。1964年にアメリカの司法長官、ロバート・ケネディが道場を視察した逸話は有名だ。ちなみに「植芝盛平」を検索すると、現在もこの光景を動画で観賞できる。
ケネディ司法長官を防御している身長195㎝、体重100キロほどの巨体の人間と塩田名人を戦わせたところ、身長156㎝、体重45㎏の塩田名人に簡単に投げ飛ばされるのを目の当たりにして、合気道の凄さに驚愕した。まさに小が大を制する話だ。合気道は別名「動の禅」「愛の禅」ともいわれる。合気道を創意工夫すれば、日本の国家の安全保障にも使えるのではないかと愚考する。
(つづく)
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