【縄文道通信第62号】縄文道―能力Q~縄文道―武士道―未来道(後)
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(一社)縄文道研究所
Net-IB Newsでは、(一社)縄文道研究所の「縄文道通信」を掲載していく。
今回は第62号の記事を紹介。EQ(EMOTIONAL QUOTIENT) 感性知
直観、五感、六感を練磨する合気道が動の禅とすれば 静の禅は座禅であろう。たとえばアップルの創業者の故・スティーブ・ジョブズが座禅を習慣としていたことは有名な話だ。欧米のIT、DXの経営者や芸術家にも座禅は親しまれている。
イスラエルの世界的な歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリ博士は、毎日2時間の瞑想を実践している。さらに、カトリックの司祭のなかにも故・門脇佳吉神父(上智大学名誉教授)をはじめ、高野山で修行したり、座禅を実践している司祭が世界中でたくさんいる。
我が先祖、陶祖の加藤藤四郎景正は1223年~28年まで、日本の禅宗、曹洞宗開祖の道元禅師に随行して南宋を訪れ、自身は陶器の技法を学んだ関係から、禅宗には強く関心をもっている。
感性といえば芸術の領域だが、音楽家、画家、彫刻家、小説家、デザイナーなど、一流の芸術家の共通項は自然の摂理への洞察力が優れていることだ。むしろ、自然が「最高の芸術」と表現する天才的芸術家が多い。たとえば、日本画の画家は写生が基本で命であるという。とくに自然や動植物を対象として描く葛飾北斎、伊藤若沖、横山大観の観察力は緻密で精緻を極めている。
自然を理解し、自然を愛で、自然と一体となることで、五感も直観も磨かれるであろう。
HQ(HARMONIOUS QUOTIENT)融和知
HQの対象は、自然、人間関係、国家間、物全般と、すべての関係性である。自然破壊、喧嘩、対立、戦争、棄損を解決するためにも、すべて関係性を大事にして融和、調和を図り、秩序を維持することが必要だ。
縄文道通信61号で述べたように、縄文時代の約1万4,000年の間に長期にわたって形成された4つの普遍的な融和の精神が日本人の基層には存在する。
- 自然との調和、共存。
- 平和を大事にする。
- 母性の尊重―男性社会よりも母性を重んじる女性の方が平和志向。
- 富の公平な配分―喧嘩と対立の原因を避ける平等性。
以上の4点は今後の世界の対立、分断が激しくなればなるほど、国家の外交、交渉、民間の商売、交換、交流などで日本人の融和の姿勢に基づく対立を生み出さない解決する術が求められるのではないか。
合気道で述べた「相手の力を笑顔でかわして、柔和に勝つ姿勢、精神」が重要なのではないかと考える。
(了)
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