機能性表示食品の届出、制度開始から6年で4,000件突破
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消費者庁が所管する機能性表示食品制度の届出件数が28日、4,000件を突破した。制度がスタートした2015年度の届出件数と比べて、20年度は3倍以上に拡大し、増加傾向は顕著となっている。制度開始からわずか6年余りで、機能性表示食品は健康食品分野の主流となりつつある。
同制度は国(消費者庁)の許可制でなく、事業者が国へ届出を行う。届出資料に問題がなければ、健康食品などに「体脂肪を減らす」「血圧が高めの人に」といった効果を表示できる。
28日時点の届出件数は合計4,001件。届出件数の推移を見ると、初年度の15年は310件にとどまったが、16年度には620件に倍増。17年度452件、18年度690件、19年度632件で推移し、20年度には初めて1,000件の大台を突破した(届出から公表までには一定期間が必要なため、20年度分の届出の公表は現在も続いている)。
機能性表示食品の届出件数が急増している背景として、事業者側が届出資料の作成に慣れてきたことがある。届出資料に問題が見つかった場合、届出を取り下げることになり、機能性表示食品として販売できなくなる。このため、制度が始まった当初は「様子見」を決め込む事業者が多かった。しかし、その後、届出の留意点や事後チェック指針などが公表され、事業者側の対応はスムーズになってきた。
消費者庁も担当課のマンパワー拡充や、制度運営に関するノウハウの蓄積を進めてきた。これによって届出の公表が迅速化したことも事業者にとってメリットとなり、届出件数が伸びる要因となった。
また、健康食品業界では「広告・表示の取り締まりが厳しくなり、一般的な健康食品は売りにくくなってきた」という声が増加。堂々と効果をうたえる機能性表示食品への関心が強まっている。
特定保健用食品(トクホ)も効果をうたえるが、トクホと比べて機能性表示食品は桁違いの低コストで済む。表示可能な効果もバラエティーに富み、トクホにはない新たな効果をうたう製品が次々と登場している。
そうした事情から、健康食品を扱う各社では機能性表示食品へのシフトを強める傾向にある。一方、消費者側も従来からの健康志向に加え、コロナ禍で健康への意識がいっそう強まっている。国・業界・消費者のそれぞれを取り巻く環境の変化が、機能性表示食品の市場拡大を後押ししているようだ。
【木村 祐作】
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