【縄文道通信69号】温故知新シリーズ~日本は縄文時代から女系社会(後)
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(一社)縄文道研究所
Net-IB Newsでは、(一社)縄文道研究所の「縄文道通信」を掲載していく。
今回は第69号の記事を紹介。日本女性の活躍はこれから本格化
武家社会に移行しても、女性が伝統的に家を守る習慣が維持されてきた。とくに江戸時代には、武家は参勤交代の制度があり、完全に奥さまに家を守る権限が譲渡されていたといえる。
大大名となれば、大きな藩を奥方に権限委譲して守らせたわけであり、奥方の力は「奥」と呼ばれ、相当に大きかったといわれる。家屋や資産の管理、使用人の統括、子どもの教育、舅や姑の世話を含め、大きな統括意識もあり、言わば家業を経営してきた。
明治維新以降、現在までの約150年で、とくに明治、大正、昭和の敗戦までは儒教の影響もあり、女性が完全に家を守り、夫に仕え、長男にも仕え、家を守るという時代が続いた。これは家業を統括してきたともいえる。
戦後の日本女性の活躍ぶりは、女系社会時代に長きにわたり蓄積された女性の知恵と賢慮ぶりが年を重ねるごとに徐々に表面化しつつある結果だと思う。とくに1985年に男女雇用均等法が成立した以降の女性の社会進出は本格化しつつある。国会議員、地方議員、官僚、経営者、医者、弁護士、大学教授といった専門職での進出も目覚ましい。
OECD 先進国のなかで社会進出と活躍度はいまだ低いといわれるが、これは時間の問題であり、今後ますます女性の進出と活躍は実現されるであろう。縄文時代から蓄積された女系社会の影響度が、今後ますます表面に出てくると思われるからだ。女性が進出すればするほど社会は平和になるであろうという、女系社会と男系社会の相対比較を紹介したい。
この表は、元スイス大使で平和推進論者の村田光平氏が作成したものである。ぜひ、日本だけでなく、世界レベルでの日本女性の活躍を期待したい。
以上はあくまでも相対的な比較である。村田元大使は、母性社会―女系社会の世界的潮流について、究極の破局に向かう「力の文明」を「和の文明」に転換するための不可欠な歴史的意義を強調している。村田元大使とは、縄文道の主張する女系社会論と価値観を共有させていただいている。
冒頭に述べた「日本女性が財布を握っている」事実は、縄文時代から基層で続いている女系社会の特徴を歴史的に継承している結果だと思う。また、武家社会でも「奥」の役割を巧みに演じてきた統治能力は、日本女性が世界でも活躍し得る能力を備えている証左でもある。
<参考文献>
『縄文人に学ぶ』(上田篤著、新潮新書)
『縄文文化が日本人の未来を拓く』(小林達雄著、徳間書店)
『女系天皇』(工藤隆著、朝日新書)
『母性文化と父性文化比較表』(村田光平作成)
『日本古代史を科学する』(中田力著、PHP新書)(了)
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