【縄文道通信70号】奥阿賀の縄文アーツ、21世紀のアーツを開拓
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(一社)縄文道研究所
Net-IB Newsでは、(一社)縄文道研究所の「縄文道通信」を掲載していく。
今回は第70号の記事を紹介。奥阿賀の新縄文人・佐藤賢太郎氏との衝撃的出会い
7月24日と25日の2日間、秘境・新潟県奥阿賀を初めて訪問した。国内考古学会の最高権威である小林達雄先生の紹介で実現した。
縄文の精神で過去16年間、奥阿賀縄文アーツを通じて村興しを推進し、彫刻家でもある佐藤賢太郎氏との対談、そして県会議員や町長、メデイア関係者を招いて講演を行った。
阿賀町は大阪府の半分近い面積の86%が森林で、阿賀野川が流れ、雄大で神秘的だ。素晴らしく自然に恵まれた空間でもある。
佐藤氏の多くの作品が展示されているミュージアムの高台で圧倒的な自然の景色が広がる場所に、対談と講演の野外舞台が用意された。ここは、小林先生が縄文ストーンサークルをつくる最適な場所と言われた空間でもあった。当地ではすでに屋敷島をはじめとした縄文遺跡が発掘され、眼前には雄大な山々と阿賀野川が流れ、縄文人の息吹を感じることができる最高の舞台でもあった。
奥阿賀は完全な高齢化による過疎地で、無人駅である「豊実駅」の前には古い民家を改装した民宿やレストラン、江戸時代からの蔵など、来客を迎える大きな施設があり、素朴で人間の汗と涙の結晶を感じさせる現代の縄文空間でもあった。
今までにこの地を訪問し宿泊した世界数十カ国からの外国人は約120人を数え、壁面には彼らの写真が飾られていた。いわば奥阿賀は、世界に向けて縄文的文化と生活の体験を通じて発信してきた場所でもある。
2日間、すべて現地で採集された新鮮な野菜と玄米、ソバやみそ汁などの食事は奥さまが中心になって用意してくれた。夕食には地場の日本酒が提供され、佐藤氏に心酔する仲間たちとの縄文文化を肴にした議論が和気あいあいと深夜まで続いた。
滞在期間中は彫刻家の工房(巨大な大理石を処理する多くの工具がそろう)見学、ミュージアムの作品鑑賞、野外のオープンミュージアムの体感、蛍の観察、廃材を使って沸かし自然風景が眺められる手づくりのお風呂も堪能させてもらった。
この貴重な2日間の体験を通じて、縄文道の立場で感じ考えたことは以下の点である。
1.奥阿賀の大自然のなかでの森林浴、空気・水・土に触れ、古民家を生かして自然のなかで生活する。
・都会の喧騒を忘れ、ストレスのある生活からの解放。
・農薬を使わず自給自足の自然の恵みを食する。
・共同作業で手づくりによってあらゆる設備、建物を修復する。
・絵画・彫刻・陶芸・書道などアーツを表現する空間。
・都会人、サラリーマン、若い人が魅力を感じる場の創出。2.奥阿賀を通じてコペルニクス的な発想転換の空間を創出。
講演と対話を通じて以下の3点を理由に、高度経済成長時代の「農家から都会」の人材フローを「都会から農家」へのフローに変える(コペルニクス的転換)。
(1)コロナの影響で仕事の仕方と生き方が大きく変化している~仕事はどこでも可能、生きがいは自然との共生。
(2)縄文遺跡17カ所(北海道、東北)の世界遺産登録で、縄文文化と縄文的生き方の見直しが起こる。
(3)AI、ロボット、デジタル化でアナログ生活の見直し。3.都会の若者、女性、外国人を積極的に奥阿賀へ移住させて、縄文の価値を広める佐藤氏の実践活動を継承させる。
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