【コロナ禍の明暗(2)】ホンダ、早期退職に2,000人超応募~「選択と集中」で激変する環境に対応
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両社ともに増収増益
トヨタ自動車(以下、トヨタ)は4日、2022年3月期第1四半期の決算発表(連結)を行った。営業収益は7兆9,355億5,800万円(前年同期比72.5%増)、営業利益9,974億8,900万円(同約72倍)、当期利益8,978億3,200万円(同465.2%増)だった。
同期の連結販売台数は214万8,000台(同85.4%増)で、コロナ前の前々年同期の販売台数である231万8,000台に近づいている。
今回の結果に対し、トヨタは「『もっといいクルマづくり』の取り組みで向上した商品力をベースに、半導体需給のひっ迫やコロナ拡大のなかでも、仕入れ先・販売店とともに、安定した販売・供給を継続できた成果」としている。
本田技研工業(以下、ホンダ)も同日、22年3月期第1四半期の決算(連結)を発表。売上収益が3兆5,838億7,000万円(前年同期比68.7%増)、営業利益が2,432億1,000万円(前年同期は1,136億9,100万円の損失)、当期利益が2,225億1,200万円(同808億7,100万円の損失)。販売台数は四輪が99万8,000台(同20.6%増)、二輪が387万9,000台(同202.4%増)。ホンダは「販売台数の増加、既存事業の盤石化の効果などがあった」と分析。両社とも増収増益をはたしている。
22年3月期の連結業績予想はトヨタが営業収益30兆円(前期比10.2%増)、営業利益が2兆5,000億円(同13.8%増)、当期利益が2兆3,000億円(同2.4%増)とした前回見通しを据え置いている。一方、ホンダは22年3月期の連結業績予想を上方修正し、売上収益が前回予想から2,500億円増の15兆4,500億円(前期比17.3%増)、営業利益が1,200億円増の7,800億円(同18.1%増)、当期利益が800億円増の6,700億円(同1.9%増)となっている。
早期退職に2,000人超応募
ホンダが55歳以上64歳未満を対象にした早期退職に2,000人超が応募した。今回の早期退職募集は電気自動車へのシフトなど、求められる技術の多様化に対応するため社員の世代交代を推進する狙いがあるとみられる。また、6月4日には「世界の自動車産業を取り巻く急激な環境変化に対応するため」パワートレイン製造部(栃木県真岡市)における生産を25年中に終了すると発表。さらに今シーズン限りで「FIAフォーミュラ・ワン世界選手権」(F1)への参戦を終了することも発表されている。
ホンダは「最重要課題である環境への取り組みとして、持続可能な社会を実現するために『2050年カーボンニュートラルの目指す』。そのために将来のパワーユニットやエネルギー領域での研究開発に経営資源を重点的に投入していく必要があるため」と参戦終了の理由について説明している。
自動車業界は現在、大転換期に直面しているといえる。ホンダに限らず、国内外すべての自動車企業は、環境の変化に対応するために「選択と集中」をせざるを得ない時代となっている。
【新貝 竜也】
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