2024年11月22日( 金 )

【縄文道通信第79号】転職市場から天職市場へ―天職ガイド~縄文道―武士道―未来道(前)

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(一社)縄文道研究所

転職市場から天職市場へ~天職ガイドの重要性

 コロナの時代が終止符を打ちつつ、日本の労働市場は転職の時代から天職の時代に移行しつつある。

 まず、オフィス通勤から解放され、オンラインでビジネスが可能になった効果が大きい。

 大手の人材会社のなかには、社員の淡路島での転勤を進め、仕事や農業も可能なプロジェクトを推進している。

 家庭で仕事をしながら人生の働く目的や、生き方を根本的に考え始めた、まさに歴史に残るパラダイムシフトでもある。

 さらに企業は副業を認め始め、個人は職業選択の範囲も広がりつつある。自分の好きな分野への仕事の機会が増え始めたことだ。

 オンラインでの仕事の仕方は、勤務地が世界どこでも可能という画期的なことで、軽井沢、伊豆、那須などに転居する若者も増えている。

 この大きなパラダイムシフトは、日本の伝統的な雇用形態を根底的に変革させることになりつつある。

 すなわち、年功序列、終身雇用、偏差値学歴主義の3点セットは、機能不全になりつつある。

 過去23年間エグゼクテイブ・サーチコンサルタントの経験から拙著以下3冊でも述べたり、150回にもおよぶ講演会で指摘してきた点は以下の通りだ。

 1.能力Q セルフプロデュース(ビジネス社・2002年)
 2.超・競争社会に勝ち抜く「能力Q」開発法(みずほ総合研究所・2005年)
 3.グローバル人財養成塾(生産性本部出版・2012年) 

 下記の3つの日本の雇用制度は大変革を迫られている。

1:年功序列
 社会生活のモラルと秩序で年功の人間を尊敬するのは当然だが、ビジネスは総合的能力で選ばれた人間が組織でのステータスで遂行する時代。

2:終身雇用
 科学技術の急速な発達、経済の外部環境の変化が速く、グローバル経済の影響で、生涯雇用を維持することが不可能になっている。定年制も同様で、将来的には撤廃され、仕事が可能であれば何時までも雇用が維持されるシステムが必要。日本経済新聞朝刊(2021年10月14日)一面に「ノジマ 80歳定年上限撤廃、YKK 65歳 定年撤廃」と報じられた。

3:偏差値学歴主義
 真の実力主義の時代が始まっている。インターネットやDXの分野の人財には大学を中退したり、学生時代から起業したり、キャリア形成に学歴が参考指標しかにならず、実力とスキルでの評価の時代に変化。

 上記のような環境、組織、制度が大きな変化に直面する時代にあっては、従来の価値観と思考では、この厳しい競争社会では生き延びることが難しくなってきている。

 生き延び、生き残る為には、職業の選択が重要になることは言うまでもない。ヒントはプロの世界にある。

 アメリカ・メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手、ヨーロッパのサッカークラブで活躍する久保建英、南野拓実など数々の若いサッカー選手、将棋の若きエース藤井聡太名人、女子プロゴルファーで全英オープンを制した渋野日向子を含む若きゴルファー、大学でベンチャー企業を興している若者、都会でサラリーマン生活と決別し、田舎で農林水産業の再生に取り組む人材と、さまざまな分野で地殻変動を興している。要するに自分が好きで、楽しく得意な分野で一芸秀逸を目指した働き方である。一言で云えば好楽得である。

 この動きは、若き人財が早い段階で天職に目覚めたことである。天職は英語ではCALLING 、 またはVOCATION である。文字通り、キリスト教の世界での言語で、「神から与えられた才能  天賦の才能を活かした職に就く」ことだ。

 今回、縄文道を提唱し始めて、縄文人の生き方を研究しているなかで気が付いたのは、前号で触れたように、縄文人が常に1.危機と対峙して、2.創意工夫を凝らして、3.自立し成果を挙げる(過酷な環境下、獲物を獲得しないと生き抜いて行けない)逞しい生き方をしていた、歴史的事実がある。

(つづく)


Copyright by Jomondo Kenkyujo

(後)

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