2024年09月08日( 日 )

設立から1年、BIM普及の行方は?~「建築倶楽部BIM推進協議会」が総会

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「建築倶楽部BIM推進協議会」2021年度総会の様子
「建築倶楽部BIM推進協議会」2021年度総会の様子

 県内の建設設計関連8団体が連携し、中小規模も含む建築士事務所へのBIM普及を目指す「建築倶楽部BIM推進協議会」(以下、BIM推進協議会)は15日、2021年度総会を開催した。構成8団体の関係者が出席し、オンライン参加も交えて実施。この1年間の活動報告のほか、今後1年間の活動計画などについて意見が交わされた。

BIM推進協議会の会長を務める(一社)福岡県建築士事務所協会会長・岩本茂美氏
BIM推進協議会の会長を務める
(一社)福岡県建築士事務所協会会長・岩本茂美氏

 BIM推進協議会の初代会長で(一社)福岡県建築士事務所協会会長・岩本茂美氏は、「BIM推進協議会が設立されてこの1年間、BIMの普及推進に努めてはきたが、中小規模の事務所では、目先の仕事の納期に追われる人的な余裕のなさや導入コストなどが障壁となっている。我々がまだまだ考え、フォローしていかなければならないことが多いと感じる。今後、何らかのかたちで手を携えながら、情報やデータの共有も行い、皆で進めていきたい」と挨拶した。

 総会では、BIM推進協議会の「システム部会」「技術部会」「実務部会」の3部会と構成8団体それぞれの1年間の活動を報告。Autodesk社のBIMソフト「Revit」を用いた実務のための基礎知識講習の開催のほか、「とちぎ建築プロジェクト・マロニエBIM設計コンペティション2020」への参加、(一社)日本建築構造技術者協会(JSCA)九州支部内でのBIMワーキンググループ設置、構造設計関係者向けBIM講習会の実施などの活動が報告された。

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 今後1年間の活動計画については、BIM普及推進に向けて、各部会および構成8団体の各活動を継続するほか、さらなる情報共有と連携を図る方針が示された。その後の意見交換では、構成8団体それぞれの会員におけるBIM導入に対する意識がまだまだ低いという現状を報告。「もっと団体の枠を越えた連携や取り組みが必要だ」という意見も寄せられた。

 今年度のBIM推進協議会の役員については、会長を岩本氏が、副会長を福岡県建築士会会長・鮎川透氏と(公社)日本建築家協会九州支部支部長・松山将勝氏がそれぞれ続投。「役員の任期は2年間とし、今年度までは“言い出しっぺ”の責任として私が会長を務めさせていただく。来年度の総会は、各団体での役員改選が終わった後の来年6月半ばごろに行い、そこで新たな役員にバトンを渡したい」(岩本会長)との意向を示した。

 BIMの普及推進に向けて、業界団体の垣根を越えて連携していく全国的にも珍しい取り組みであるBIM推進協議会。同協議会の活躍により今後、中小規模も含めた建築士事務所におけるBIMの普及推進をはじめ、BIM活用による成果物の品質や性能の向上など、業界全体のレベルアップにつながることが期待されている。

建築倶楽部BIM推進協議会 参加8団体
(公社)福岡県建築士会 福岡地域会/(一社)福岡県建築士事務所協会/(公社)日本建築家協会 九州支部 福岡地域会/(一社)日本建築構造技術者協会 九州支部/(一社)福岡県設備設計事務所協会/(公社)日本建築積算協会 九州支部/日本建築学会九州支部 福岡支所/(一社)日本コンストラクション・マネジメント協会 九州支部

【坂田 憲治】

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