2024年07月18日( 木 )

守旧勢力色が鮮明になる立憲民主党

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は日本政治を刷新するためには革新勢力の大同団結が必要だと訴える11月30日付の記事を紹介する。

立憲民主党が新代表に泉健太氏を選出した。

泉健太氏は4人の候補者のなかでもっとも右寄りに立つ人物。

共産党を含む野党共闘に対しても否定的な考え方を有すると考えられる。

連合と連携する姿勢も明確。

連合は共産党との共闘を「あり得ない」と明言している。

これが「連合」の総意だとすれば、連合はもはや労働者を代表する組織ではない。

連合加盟の労働者は約700万人。

全労働者の1割に過ぎない。

連合の支配権を確保しているのは「六産別」

電力、電機、自動車、鉄鋼、機械・金属、繊維・流通等の各産業の大企業御用
組合連合だ。

六産別所属の労働者が約400万人。

大企業御用組合の労働者は既得権勢力の一部。

労働者全体の6%でしかない「六産別」は労働者を代表する存在ではなく、既得権勢力の一部だ。

立憲民主党が大多数の労働者市民の側に立つ政党であるなら、連合と袂を分かつことが必要。

連合とともに歩むということであれば、立憲民主党は既得権勢力の政党になる。

この位相に立つのが国民民主党。

国民民主党と違いがなくなるわけで、立憲民主党は国民民主党と合流するのが適切だ。

立憲と国民と維新で第二の守旧政党を創設するのがわかりやすい。

他方、多くの主権者、労働者、市民は、これらの勢力と立場を異にする。

一般労働者の利害を代表する中核政治勢力が不在になった。

新たな政治勢力の創設が求められる。

この位相に位置するのがれいわ新選組。

より大きな市民勢力の結集が求められる。

泉新代表の下で立憲民主党は野党共闘の在り方を見直すだろう。

泉氏の選挙区である京都府では立憲民主党と共産党が敵対している。

立憲民主党は野党共闘を否定し、自民党と共同歩調を歩むスタンスを示している。

これが国政に反映されるだろう。

守旧勢力としての立憲民主党を支持する主権者は激減するだろう。

同時に、連合の再編も必要になる。

連合六産別は旧同盟の系譜を引く。

革新勢力の大同団結を妨害することがそもそものミッション。

旧総評系の労働組合は六産別が仕切る連合に加盟し続ける意味を失っている。

連合は大企業御用組合連合と労働組合連合に分割されるべきだ。

一般労働者の利害を代表する労働組合連合を支持母体の1つとする新しい革新政党が求められる。

政党の分化は基本政策路線の相違に基くべき。

戦争法制

原発

消費税

に対する基本路線が明確であることが必要。

連合六産別は

戦争法制を容認し、原発稼働を容認し、消費税増税を容認する色彩を濃厚に有
する。

完全な守旧勢力。

従って、連合六産別を支持母体とする政党も守旧勢力ということになる。

日本の主権者は新たな革新勢力の核を見出さねばならない。

立憲民主党議員のうち、立憲民主党の連合路線に賛同できない人々は離党して新党を創設すべきだ。

泉氏が率いる立憲民主党は守旧勢力としての本質を鮮明に浮かび上がらせるのがよい。

共産党は立憲民主党との共闘の在り方を根本から見直す必要がある。

れいわ新選組、社会民主党も立憲民主党との共闘関係を、解消を含めて見直すべきだ。

連合と立憲民主党の関係は共依存のガスライティングに近い。

立憲民主党は連合に洗脳されている。

連合なくして選挙を戦えないとの妄想を抱くようになっている。

しかし、実際の連合に大きな力はない。

労働者全体の1割しか加盟していない。

連合を仕切る六産別に所属する労働者は特権階級労働者であって労働者全体の6%しか占めていない。

六産別は一般労働者の利害を代表しない。

大企業御用組合特権労働者の利益を守ることが六産別の目的。

この勢力の支配下に置かれることの不当さを立憲民主党が理解できないのでは主権者多数の支持を得ることはできない。

しかし、今回代表選で立憲民主党が連合と表裏一体の組織になることが明確になることは望ましい。

日本政治刷新を求める主権者が立憲民主党支持から離脱することが容易になるからだ。

立憲民主党と国民民主党に差異がなくなる。

立憲民主党の第二守旧勢力としての位置付けが明確になるだろう。


立憲民主党内に存在する革新勢力の離脱が求められる。

明確な理念と明確な基本政策を保持する新たな革新政党の誕生が不可欠になった。

れいわ新選組は立憲民主党内の革新勢力に呼びかけるべきだ。

※続きは11月30日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「守旧勢力色が鮮明になる立憲民主党」で。


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植草一秀の『知られざる真実』

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