2024年11月24日( 日 )

腐ったミカンの法理

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回はれいわと立憲の改革勢力集結を求めた1月27日付の記事を紹介する。

立憲民主党が昨年10月の衆院総選挙についての総括を決定した。

しかし、大惨敗の本質をまったく見つめようとしていない。

総括を決定する過程では共産党との共闘が敗北の原因であるとの方向に総括を誘導しようとする動きも表面化した。

しかしながら、客観的な事実はこの見解を否定するものになっている。

直近2回の総選挙での「立憲+希望」と「立憲+国民」の獲得議席数は

2017年 選挙区36  比例69
2021年 選挙区63  比例44

自民党の獲得議席数は

2017年 選挙区218 比例66
2021年 選挙区189 比例72

立憲大惨敗の主因は比例代表選挙での議席大幅減にある。

選挙区での獲得議席数は大幅に増やした。

選挙区で議席を増やせたのは共産党を軸とする選挙協力が主因。

共産党の選挙協力がなければ選挙区での獲得議席数は大幅に減少していたと考えられる。

比例代表選挙で得票を減らした原因として「共産党の共闘で票が逃げた」との主張があるが、これも正しくない。

そのために減った票より、野党共闘に背を向けたことで減った票のほうがはるかに多いと考えられる。

枝野幸男氏は選挙戦が展開されるなかで次のように述べた。

「「野党共闘」というのは皆さんがいつもおっしゃっていますが、私の方からは使っていません。

あくまでも国民民主党さんと2党間で連合さんを含めて政策協定を結び、一体となって選挙を戦う。

共産党さんとは(共産、社民、れいわの3党と一致した政策に)限定した範囲で閣外から協力をいただく。」

枝野氏は、共闘の対象は国民民主と連合であって、共産、社民、れいわとは共闘しないことを宣言した。

10月23日に都内で行われた市民団体のイベントでは、立憲民主党の枝野幸男代表が共産党の志位和夫委員長との記念写真撮影を拒絶した。

枝野氏は野党共闘を推進したのではなく、野党共闘に背を向ける対応を示し続けたというのが実態である。

日本政治刷新を求める主権者と政治勢力が連帯して自公政治打倒に向かう流れに、冷水が浴びせられた。

日本政治刷新に向かう運動の中核的役割を立憲民主党に期待した主権者が一斉に離反した。

私はこのことから立憲民主党が衆院選で敗北するとの見解を示し続けた。

現実はその洞察通りになった。

問題の根源がどこにあるのかを見つめなければ事態打開はない。

問題の根源は立憲民主党の「一党二制度」にある。

自公政治を刷新しようとする「改革勢力」と自公政治を肯定する「守旧勢力」が同居を続けていることが問題の根源。

自公政治を肯定する「守旧勢力」を代表する存在が「連合」だ。

「連合」は旧総評系組合と旧同盟系組合を軸に統合されて創設された組織。

しかし、現状では旧同盟系組合が支配権を握っている。

「六産別」だ。

「六産別」とは電力、電機、自動車、鉄鋼、機械・金属、繊維・流通等の6つの産業分野の御用組合連合のこと。

かつての同盟系の流れを引いている。

同盟は、CIAが革新勢力のなかに隠れ与党勢力として創設した民社党の支持母体として創設された労働組合組織。

大企業御用組合連合である。

この「六産別」が連合を支配している。

その最大のミッションは革新勢力=改革勢力の一枚岩での連帯を阻止すること。

旧民進党が分裂して、守旧勢力の国民民主と改革勢力の立憲民主とに、分離されかかった。

しかし、これを放置すると革新勢力=改革勢力としての立憲民主党が大きく伸長する。

そこで、CIAの指揮に従う連合が立憲民主に介入し、立憲民主の「守旧化」を強引に推進したと見られる。

何よりも求められることは「一党二制度」の解消。

立憲民主内の守旧勢力は国民民主と合流すればよい。

立憲民主内の改革勢力は立憲民主から離脱して中核となる改革野党を新規に創設すべきだ。

そもそも、野党第一党が連合支配下に位置することがおかしい。

連合加入労働者は約700万人。

労働者全体の1割に過ぎない。

このなかで「六産別」所属労働者は約400万人。

労働者全体の6%しかいない。

この勢力が中核野党を支配することのおかしさをすべての主権者が認識する必要がある。

「六産別」は大企業御用組合連合であり、加入者は一般労働者と異なる。

「貴族労働者」の集合体が「六産別」なのだ。

「六産別」が支配権を握る連合は守旧的特性を隠さなくなった。

戦争法制容認

原発稼働指針

新自由主義経済政策容認

の色彩を鮮明に示している。

※続きは1月27日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「腐ったミカンの法理」で。


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