【福岡市】子どもの貧困支援予算を大幅増~22年度予算
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福岡市は10日、2022年度一般会計当初予算案を発表した。今年度の予算案のテーマは「ぬくもりと彩り」。「ぬくもり」は新型コロナウイルス感染拡大の長期化により困窮している子どもへの支援、「彩り」は都市の経済以外の新たな魅力を創出する試みだ。
総額1兆410億円で、前年度から1.3%減少となったものの、引き続き1兆円を超えた。
主なポイントを紹介する。子どもにぬくもりを
子どもの貧困対策の予算として、前年度の約1.5倍となる4億2,631万円を計上する。習い事応援事業として、生活保護世帯または児童扶養手当受給世帯の小学5年生~中学3年生の習い事への支援として月1万円を助成する。
家族の世話や家事などを日常的に行っている子ども「ヤングケアラー」に対する支援として、市は昨年11月に相談窓口を開設しているが、拡充させ育児支援ヘルパー派遣などを実施する。
高島宗一郎市長は同日の記者会見において、困難をかかえる子どもたちが同じスタートラインに立てていないのではと困難な家庭、サポートが必要な家庭の子どもの置かれた状況を問題視、「貧困の連鎖を断ち切る」と訴えた。
アートで彩りある都市へ
天神ビッグバンなどにより都市のアップデートが進むなか、経済的合理性にとどまらない新たな価値を生み出すまちとするための取り組みの一環として、「Fukuoka Art NEXT」を始め、「アートのある暮らし」の推進、「アートウィーク」の開催、アーティスト支援のためのカフェの開設・運営を行う。文化芸術の振興の予算として、前年度比8,650万円増の17億7,139万円を計上した。
高島市長は同会見において、みなが住みたいまちとするため、曲線やカラーなどの「彩り」を加え、無機質ではなく肌触り感のあるまちをつくりたいと意欲を示した。また、アートは国際金融、スタートアップ支援などと親和性が高いなどいろいろな側面をもっているとの認識を示した。
財政健全化を図る
歳入面では一般財源は前年度比3.6%増の4,849億円と過去最大規模に。最も増えたのは市民税で、同9.1%増の3,455億円と、コロナ以前の19年度、20年度を上回った。同税収増は、企業収益の改善、固定資産税における新増築家屋の影響などによるもの。
市債残高に関しては、市債の発行額を前年度比24.2%減の698億円に抑え込んだ。22年度末時点での市債残高の見込み額(臨時財政特別債を除く)は1兆5,193億円、市民1人あたりでは約97万円となり、それぞれピーク時の04年の2兆5,115億円、185万円から減少させたとアピールしている。市民1人あたりの市債残高が100万円を下回るのは1985年度以来、37年ぶりという。
コロナ対策でさまざまな支出が求められるなか、税収増をはたしていることもあり、市債を減らし財政健全化にも目配りを示した。【茅野 雅弘】
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