2024年11月22日( 金 )

一蘭の490円カップ麺 公取調査でブランド力が再注目

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 ラーメンチェーン「一蘭」が商品化したカップ麵「一蘭 とんこつ」が、公正取引委員会から小売店の販売価格を不当に拘束した疑いがあるとして独占禁止法違反容疑で調査を受けていることが判明した。

 「一蘭 とんこつ」は21年2月の発売で、店頭価格は税込み490円。独占禁止法では書籍等の著作物を除き、メーカーが自社製品を指定した価格で販売させる「再販売価格の拘束」を原則禁止している。

 具材を入れていない「一蘭 とんこつ」の価格(490円)は、日清カップヌードル184円(コンビニ価格)、日清食品と一風堂の共同開発「一風堂赤丸とんこつ」278円(同)などの商品よりもはるかに高い。一般にメーカーが「再販売価格の拘束」をする目的は、値崩れにともなうブランド力低下を避けるため。一蘭は現段階で調査内容を公開していないが、小売業関係者は「いろいろ厳しい取引条件がある」としており、取引条件に販売価格が含まれていた可能性がある。

 従来から一蘭の強気な価格設定に対して消費者から賛否があった。ラーメンの店内価格は現在890~980円。「ラーメン一杯にそこまで払えない。話のネタに一回食べれば十分」という声がある一方で、「名店ひしめくなかでも別格。頻繁に食べる」という声もあり、コロナ前までは順調に業績を伸ばしてきた。

 「一蘭 とんこつ」は今年1月までで累計600万食を販売。小売関係者は今回の調査について「490円でも売れるのは事実」と相応の需要があったことを明かしている。

 一蘭は「公取調査に全面協力しており、終了後に内容を明らかにする」としているが、コロナ禍や今回の調査を経て、消費者が同社のブランドをどう評価するか注目される。

【鹿島 譲二】

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