縄文道は身体知、感性知、人文知の融合知(前)
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(一社)縄文道研究所
NetIB-Newsでは、(一社)縄文道研究所の「縄文道通信」を掲載していく。
今回は第89号の記事を紹介する。「身体知」「感性知」「人文知」の融合知
世の中には影響力のある方々が各分野にたくさんおられ、筆者は仕事上も、さまざまなインパクトのある方々との出会いの連続の歴史であったが、最近も感動的な出会いがあった。縄文太鼓の制作者であり演奏者である茂呂剛伸氏である。インターネットで彼のプロフィールと経歴は検索できるが、北海道の江別出身の44歳の若きアーテイストで実業家でもある(http://www.goshinmoro.com/)。
彼の演奏を聞いて直観的に感じたことは、次の通りだ。
・ホモサピエンスの起原のアフリカの野生的響きだ。西アフリカのガーナ共和国で1年間、現地音楽のジャンベ太鼓を学び、自分流に取り入れた経験をもつ。
・縄文時代の自然のなかで共生してきた縄文人の息吹だ。この息吹の音は5拍子で、単調ながら深い響きに生命力を感じた。
・素朴ながら動のダイナミズムと静の平和な響きが交互に交差することで、聞いている人間が共鳴できることだ。
静と動の躍動感は、約70年前に岡本太郎が初めて縄文土器と対面して感じた感動と同種で、縄文文化が根底に有する生命力と思う。筆者も約50年前に上野国立博物館で縄文土器と対面した時と同様、心の奥底に眠っている縄文人から引き継がれている旋律が蘇った感じだ。不思議な感覚に耽ることができた至福の一時だった。
茂呂氏はパリでも3回公演しているが、世界的なファッションデザイナー三宅一生氏のファッションショーに茂呂氏の縄文太鼓の曲が組み込まれているとのこと。三宅一生氏のパリコレクションでの縄文衣服を模したセッションワンは世界のファッション界のプロに衝撃を与えた。ファッションと縄文太鼓のコラボレーションは今後もあり得ると思う。
元文化庁長官でユネスコの大使を務めた近藤誠一氏が学長の国際ファッション専門職大学は、極めてユニークな専門職大学である。
2019年に創立され、伝統美と先端科学技術を組み合わせた感性知と人文知を融合させた大学で、最初に入学した学生が現在4年生で、これから世の中で活躍が期待されるという。
伝統美については、日本の極めて長い文化の歴史でも、約1万4,000年継続した縄文文化が源流で基層だ。文化のなかでも、人間の日常生活に最も影響を与えるのは、生活様式としての衣食住文化である。
衣生活については、ファッションの世界では三宅一生氏や国際ファッション専門職大学、さらには和服の見直しも進むと思う。
(つづく)
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