【特別寄稿】政経新聞(佐世保市)「長崎IR、国は認めない」
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長崎県は4月27日、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の整備計画を観光庁に申請した。28日の期限までに申請したのは、長崎県の他に大阪府。政府は有識者による委員会で審査して、今年秋ごろに認定地域を決めるとみられている。しかし、計画の実現可能性をめぐっては、地元からも疑念の声が挙がっている。長崎IRの予定地は、佐世保市の大規模レジャー施設・ハウステンボスの周辺。地元の佐世保市で『政経新聞』を発行する長崎政治経済新聞・社主の末永公正氏は、同紙に掲載したコラムのなかで長崎IRの姿勢を「税金担保主義」と批判、「(長崎IR計画を)国は認めないだろう」と予測した。全文を、政経新聞編集部の許可を得て転載する。
【データ・マックス編集部】
長崎県のIRは、国は簡単には認めないだろう。本紙(政経新聞)東京通信員の情報と私見を交えて。
長崎県佐世保市にある針尾海岸の旧日本軍の兵営跡に、神近義邦という男がハウステンボスをつくり、これを倒産させた。困った佐世保市長は、ペテン師的な面もあって「銀座の種馬」とあだ名されたエイチ・アイ・エス(HIS)のやり手・澤田(秀雄代表)を動かし、条件として10年間固定資産税を徴収しないとした。その税金を払い始めたら、澤田は株だけもって走った。
今回も誰が決めたか、このIR用の土地を200億でハウステンボスが売却して金が入る。この土地の価格を誰が決めたのか、はっきりしていない。不思議である。
私に言わせれば、価格がバカ高い土地といえる。神近が坪5千円程度で入手した土地がいつの間にか数百億円となり、坪単価がいくらか予想もつかぬ価格(1千万円?)でIRは買うと言っている。裏で喜んでいるのはHISの澤田だけだろう。さらに、その売買収益で税金を取り上げる税務署くらいのものか。とにかく、土地の価格設定は疑問の上にも疑問がつく。
次に、金の出所がどうもはっきりしない。海上にプライベート空港でもつくって世界のエンターテインメントを招致して、美女と酒、あるいはゴルフなどで遊べる米ラスベガスの「サンズ」(Las Vegas Sands Corp.)的なものならいざ知らず、実際はどうなるのか。客をハウステンボスに泊めてギャンブルで金を巻き上げ、酒を飲ませて商売女にさらに金を巻き上げさせるという、悪い姿の最低なIRしか私の頭に浮かばないのはなぜだろう。
金を高利貸的なファンドから持ってくるとなれば、払えぬときはまたもや市か県が買い上げるという「税金担保主義」な方向にならないよう、祈りたい気持ちである。
【(株)長崎政治経済新聞/社主・末永 公正】
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