中国は世界第二位の化粧品市場に 資生堂、投資を拡大
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市場調査会社Euromonitorによると、中国の化粧品の市場規模は2011年から2020年までの10年間で331.8億ドルから732億ドル(約9兆8,117億円)に増え、年平均およそ9.22%という急成長ぶりを示した。2021年は811億ドルに達し、世界第2位の化粧品消費大国となっている。
また、中国のスキンケア市場規模は2020年に4兆1,789億円となり、2025年までの5年間で平均13%の成長が見込まれている。一方、日本のスキンケア市場規模は成熟していることから横ばいの予測となっている。サプリメント市場規模も同様で、中国では2020年に2兆7,397億円、2025年までの5年間で平均4.9%の成長が見込まれているものの、日本市場は横ばい予測となっている。
中国化粧品市場の約4分の1を占めるこのスキンケア市場は、資生堂やコーセー、ファンケルなどが長年基盤を構築しており、とくにスキンケア分野などで機能性が評価されている。
中国スキンケア市場の流通チャネルにおいてECが拡大していること、ドラッグストアが主である日本と異なり、中国はECが一般化している。2020年の中国スキンケア市場の流通チャネル構成比のうちECは40.6%(2016年は24.1%)であることからも、ECが大きく成長していることがうかがえる。▼おすすめ記事
資生堂CEO:中国は資生堂の第二本社だこのような巨大市場に、世界の大手2社が食指を動かしている。5月8日、ロレアルが、中国初の現地法人となる「上海美次方投資有限公司」を上海市奉賢区東方美谷に設けると発表した。その2日後に資生堂も、合弁会社となる「アモイ資悦」を発足させている。
こうした事例から、中国の化粧品業界は個別展開から共同運営へと向かっている様子が見えてくる。海外の企業が中国に進出する際、以前はローカライズのために大金をつぎ込んでいた。資生堂は、80年代生まれの女性におけるスキンケアの初歩となるジーエー、ピュアマイルド、ウララなどといったブランドを打ち立て、ロレアルも羽西、美即などの現地ブランドを配下に収めて、チャネルの充実化を進めた。
先陣を切ったこれらのブランドはすでにほぼフェードアウトし、代わって中国ブランドが台頭してきている。「花西子」はわずか2年間で10億元(約200億円)レベルに達している。中国は今、化粧品市場における「稼ぎ所」となっている。資生堂は、2021年の中国での売上高が前年比16.5%プラスの2,747億円で、市場シェアは日本での26.7%にほぼ匹敵する26.6%である。2021年はさらなるローカライズを目指して、上海に「中国東方美谷開発センター」を設けている。中国で3カ所目となる開発拠点であり、美容関連からヘルシー関連全般へと業務を拡大していく役割を担う。
一方ロレアルも、上海を北アジアの本部および世界三大技術センターの1つに格上げした。すなわち、中国は事業を成長させる場、また技術革新の先頭を行く拠点であると見なすものである。またエスティローダーは今年の第二四半期、3,500万ドル以上をかけて上海市閔行区虹橋に建設したグローバル開発センターがオープンする予定である。
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